「彼は“希望拷問”に苦しんでいる」東京五輪での握手拒否が物議の韓国代表MFがドイツで苦難に直面!「蔚山に帰ろうとしたのに…」

2023年02月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

東京五輪では10番を背負って決勝T進出に貢献

ドイツの不遇の日々を送るイ・ドンギョン。韓国代表の次代エースと期待された逸材はカタールW杯の出場をも逃した。(C)Getty Images

 韓国サッカー界で将来を嘱望される有望株が苦境に立っている。ドイツ・ブンデスリーガ2部のハンザ・ロストックに所属する韓国代表MF、イ・ドンギョンである。

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 2021年の東京五輪ではU-24韓国代表のナンバー10を背負い、2得点・2アシストをマークするなど攻撃の軸として活躍、チームのベスト8進出に貢献した。一方、グループステージのニュージーランド戦で敗れた際、試合終了後に相手選手が求めてきた握手を拒否する動画が世界中に拡散し、「マナー違反だ」「あり得ない!」など一大バッシングを浴びたのも記憶に新しい。

 そんな25歳のイ・ドンギョンだが、欧州ではいまだ鳴かず飛ばずだ。『スポーツソウル日本語版』がその窮状をレポートしている。

 イ・ドンギョンは昨年1月、蔚山現代からドイツ2部のシャルケ04にレンタル移籍。待望の海外移籍をついに果たしたわけだが、半年のレンタル期間は怪我もあって出場機会をほぼ掴めなかった。チームは2部で優勝を飾って1部昇格を果たしたため、イ・ドンギョンはレンタル期間をさらに半年延長したが、立ち位置が変わらず。すぐさま契約解除を申し出て、昨年9月1日に同じ2部のハンザ・ロストックへ移籍した。今度は1年間のシーズンローンである。

 しかしながら、状況は好転しない。『スポーツソウル日本語版』は「現在までリーグ戦7試合に出場し、1アシストを記録しているが、先発出場はわずか1試合しかない。交代出場の6試合もほとんどが後半終盤の投入であるため、プレータイムはわずか201分だ」と記し、「ドイツ進出以降は韓国代表からも遠ざかり、昨年のカタール・ワールドカップでは最終エントリー26人から漏れた」と説明する。
 
 そして浮上したのが、レンタル契約を打ち切って蔚山現代に早期復帰するシナリオだった。蔚山現代は攻撃のコンダクターだった天野純が全北現代に移籍してしまい、その穴を埋める即戦力を必要としていた。

 だが、ハンザ・ロストックとの交渉は決裂してしまう。蔚山現代の関係者は「(ハンザの)パトリック・グロックナー監督が残留を強く望んだんだ。攻撃的なドンギョンを重用するには困難が伴うが、長所はあるため、シーズン後半戦に向けて彼というカードを捨てる理由はないと考えたんだろう」と説明する。

 悩んだ末にイ・ドンギョンは残留を決断。出場機会増を期待したが、ウインターブレイク明けの再開後もやはりパッとしない。1月28日のハイデンハイム戦が出場なしに終わると、続く2月5日のハンブルク戦ではゲーム終盤の82分になってようやく登場。2試合ともチームは0-2で敗れ、現在2部リーグで18チーム12位と低迷している。

 まさに飼い殺しに近い状況だ。このまま時が過ぎ去るのを待って、蔚山現代へのレンタルバックで再起を図るほかないのか。『スポーツソウル日本語版』は「ドイツ進出後、イ・ドンギョンは"希望拷問"(相手に希望を持たせながら、苦痛を与え続けること)に苦しんでいる」と表現した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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