ミスで連続失点のドルトムントが今季3敗目……香川は前半で交代 & 酒井は堅守ぶりを披露――ハンブルク 3-1 ドルトムント

2015年11月21日 遠藤孝輔

チャンス量産のドルトムントも、相手守護神の好守に泣く…。

 セキュリティー上の都合により定刻より15分遅れでキックオフした、ブンデスリーガ13節のファーストマッチ。リーグ5連勝を狙うドルトムントをホームに迎えたハンブルクが、90分間を通して高い集中力を発揮し、3-1の完勝を収めた。
 
 ハンブルクは立ち上がりからエンジン全開。ラッバディア監督が叩き込んだアグレッシブな姿勢を前面に押し出しながら、ドルトムントに猛プレスをかける。とりわけ攻撃の起点であるヴァイグル、ギュンドアンへの圧力が強く、相手にテンポの良いパス回しを許さない。
 
 良い守備を見せるハンブルクは16分、左サイドのクロスからCFラゾッガが胸で落とし、イリチェビッチのシュートに結び付ける。
 
 その2分後には先制点を奪取。ホルトビーからDFラインの裏に抜け出したイリチェビッチに絶妙なスルーパスが通り、相手GKビュルキのファウルを誘う。そして、このPKをエースのラゾッガがきっちりとモノにした。
 
 その後、地力で勝るドルトムントが左サイドからの仕掛けを中心に反撃に出る。この時間帯で堅守を見せたのが、ハンブルクの右SB酒井だ。
 
 13分に香川との1対1の局面で遅れをとっていたものの、24分にはロイス、35分にはオーバメヤンのドリブル突破を阻止し、失点に繋がりかねないピンチを未然に防いだのである。
 
 前半終了間際になっても運動量が落ちないハンブルクは、41分に敵のミスを見逃さずに追加点を挙げる。
 
 ギンターの精度を欠いたバックパスを敵陣で掻っ攫ったN・ミュラーが、エリア内に走り込んだホルトビーにラストパス。この絶好機を活かし、リードを2点に広げた。
 
 流れを変えたいドルトムントは、後半から香川とギンターを下げて、カストロとピシュチェクを投入。ショートパスによる崩しだけでなく、ロングボールやアーリークロス、ミドルシュートを織り交ぜながら、幾度となくチャンスを作り出すも、肝心のゴールが奪えない。
 
 すると55分、落とし穴が待っていた。ホルトビーのCKをクリアーしようとした主将フンメルスが、痛恨のオウンゴール。相手に3点目を与えてしまったのだ。
 
 セーフティーリードを得て、重心をグッと下げたハンブルクに対し、アウェーチームは必死に反撃を試みる。しかし、63分に迎えたオーバメヤンの決定機、76分のギュンドアンの強烈なFKは、いずれも相手GKアドラーに阻止されてしまう。
 
 86分にようやく1ゴールをもぎ取る(得点者はオーバメヤン)も、90分前後に次々と訪れたチャンスは再び、アドラーの好守でフイに……。
 
 ハンブルクの堅守を崩せず、自分たちのミスから失点を重ねたドルトムントは、敗れるべくして敗れた格好だ。
 
 11月21日のナイトマッチで首位バイエルンがシャルケに勝利すると、その王者との勝ち点差は今シーズン最大の「8」に広がる。
 
文:遠藤孝輔
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