セルティック岩田智輝の現在地。熾烈な争いを勝ち抜くために、自分自身にフォーカス。「シンプルに自分が劣っているから頑張るしかない」【現地発】

2023年02月08日 元川悦子

大分ユース時代から望んでいた海外でのプレー

スコットランドで研鑽を積む岩田。まずはプレータイムを増やしたい。(C)Getty Images

 2022年の横浜F・マリノスでDFとボランチをマルチにこなし、悲願のJ1王者奪還の原動力となった岩田智輝。ご存じの通り、MVPにも輝き、名実ともに日本のトッププレーヤーに上り詰めた。

 その彼が今年1月、恩師であるアンジェ・ポステコグルー監督の率いるスコットランドの名門セルティックにレンタルで赴いたのは周知の事実である。新天地では1月21日のグリーノック戦(リーグカップ)の後半頭から登場し、初めて異国の地を踏むと、2月1日のリビングストン戦(リーグ戦)でもラストの時間帯に出場。ようやく新たな一歩を踏み出したところだ。

「海外には、大分でユースに上がった時からずっと行きたいと思っていた。プロになってからも毎年そういう気持ちでいました。そして今回、セルティックからオファーをいただいたので、迷うことなく行く決断をしました。

 ボス(監督)とは半年間だけですけど、一緒に仕事をしているので、監督のやりたいことも分かります。今はボランチで考えてくれているんですけど、自分もボランチとしての選択肢やプレーの幅が広がったのも、彼がマリノスでそのポジションで起用してくれたから。そのおかげで海外にも来ることができたと思っています」と、岩田は改めてポステコグルー監督に感謝した。
 
 シュツットガルトの遠藤航と同様、守備のマルチ型である岩田は「海外でやるならボランチでないと勝負できない」という認識を持っていたという。そのポジションで使ってくれるセルティックは理想的な環境と言えるが、そんなに簡単に試合に出られるわけではない。インテンシティの高さや球際の激しさなど、日本とは異なる環境に適応し、持てる力を出せるように仕向けることが第一なのだ。

 岩田は自分自身の現在地を冷静に客観視している。

「こっちに来て約1か月ですけど、日本とはプレースピードも強度も違いますし、ボールもピッチも全てが違うので、日本のようには上手くはいかないというのが現実です。

 先に来た(古橋)亨梧君や(前田)大然、(旗手)怜央がすぐに試合に出られるのは凄いと思う。ただ、自分には彼らのような特別な何かがあるわけじゃない。自分らしいスタイルで徐々に慣れていって、試合出場回数を増やしていきたいと考えています」

【動画】ワントラップから右足一閃!古橋の豪快弾
 

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