【カンボジア戦スタメン予想&プレビュー】 求められるのは、戦力の融合。“好条件下の実験場”で、指揮官は決断を下すはずだ

2015年11月16日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

2次予選は勝ちさえすればいいとも言えるが、カンボジア相手にそれではあまりにも寂しい。

シンガポール戦から大幅にスタメンを入れ替えると予想。温存された岡崎が1トップに入りそうだ。

 アジア・2次予選グループEにおける最弱国。それが11月17日に対戦するカンボジアだ。これまで6戦全敗の勝点0で、シンガポールとのアウェーマッチで挙げた1点だけが総ゴール数として刻まれている。
 
 そんなアジアの発展途上国に対して、日本には勝点3以上の付加価値が求められる。ワールドカップの2次予選は言ってしまえば勝ちさえすればいいのだが、カンボジア相手にそれではあまりにも寂しい。そう考えれば、この試合はテストに使うべきだ。
 
 だからこそ、先発メンバーは大幅に変わると予想する。「疲れている選手に負担をかけたくない」(ハリルホジッチ監督)とシンガポール戦で休息を与えられた岡崎、香川らは、手ぶらでヨーロッパに帰るわけにはいかない。また、その試合で金崎を先発に抜擢した指揮官には、選手起用へのチャレンジ精神が宿りつつあるはずだ。
 
 言うなれば、休暇明けの"第一勢力"と、これまで出番の限られた"第二勢力"の融合が期待される。惨敗に終わった今年8月の東アジアカップのように、普段とはまるで別チームのような構成では、戦力の底上げにはつながっても現実的なチーム強化、例えば連係面の確認ができない。その意味でも、タイミング良く迎えたカンボジア戦は"好条件下の実験場"と言えよう。
 
 第一勢力の筆頭である岡崎は、カンボジア戦を前に印象的なコメントを残している。
 
「自分自身の考えですが、絶対的な選手っていうのは今、(日本代表に)いないと思う」とし、さらに続けた。「もちろんヨーロッパでやっていたりとか、そういう部分(の差)はあるかもしれないけど、自分は世界的な選手を見てきて、彼らに匹敵するくらい個の能力を持っているかって言ったらそうじゃない。そういう意味では、全体的に向上していかなきゃいけない。そのなかで誰かが突出すのは良いと思うけど、現時点で"こいつがいたらなんでもやってくれる"みたいな選手はいない」
 
 第二勢力を引っ張るべき南野も、カンボジア戦のミッションを前向きに捉える。
 
「若い選手がフル代表で活躍するのがチームの底上げとして必要だし、世界の強豪を見てもそういうところが大事になってくる。自分は一番理解しているので。周りのことは分かりませんが、自分としてはそういう役割をはたして、競争に入っていければいいと思います」
 
 両者の周波数は一致している。あとは指揮官が決断を下すのみだ。
 

次ページ日本にとっては問題のない相手。むしろ考慮すべきは、外的要因だ。

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