【現地コラム】スポットライトと無縁な「リーガ最高のパサー」

2015年11月13日 豊福晋

パス成功率は2シーズン連続でリーガ1位を誇る。

ポゼッションサッカーを志向するラージョ・バジェカーノで不動の司令塔に君臨するトラショーラス。今や「リーガ最高のパサー」の呼び声も。(C)Getty Images

 現在、リーガ・エスパニョーラ最高のパサーは誰か――。
 
 先日、スペイン人記者たちと話していて、ふとそんな話題になった。
 
 様々な名前が挙がった。今夏にカタールに旅立ったシャビがいなくなろうとも、スペインには多くの優れたパサーがいる。ポゼッションサッカーが主流のリーガは、世界中のパスの名手が夢見る舞台なのだ。
 
 生粋のマドリディスタ(レアル・マドリーのファン)は、トニ・クロースを推した。アンドレス・イニエスタに心酔しているバルセロナ担当が挙げたのは、もちろんこのクラックだ。
 
 個人的にはアトレティコ・マドリーのチアゴ。また、ルカ・モドリッチ(R・マドリー)にダニエル・パレホ(バレンシア)、エベル・バネガ(セビージャ)の名前も出た。
 
 そんな中、ひとりの名前が挙がった。
 
 ラージョ・バジェカーノの主将、ロベルト・トラショーラスだ。
 
 1981年生まれの現在34歳。同世代のMFにシャビやシャビ・アロンソという超ワールドクラスがいたため、ずっとA代表とは縁がなかった。今後も声がかかることはないだろう。
 
 しかし、MFに関して目の肥えたスペインの人々からも、かなり高い評価を得ている実力者だ。
 
 昨シーズンはクロースを上回り、リーガ最多のパス成功率。名実ともにリーガナンバー1のパサーである。
 
 今シーズンもここまで、パス成功率で同じくリーガのトップ。バルサとマドリーの2強やアトレティコ、バレンシアやセビージャなどの第二勢力ではなく、ラージョというスモールクラブでこの数値を達成していることも、その評価を高めている要因だ。

次ページふと、ガンバ大阪の7番が思い浮かんだ。

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