「短剣のように切り裂いた」輝いた久保建英をソシエダ番記者も賞賛!日本代表との違いについても指摘。「タケはパス交換できる同僚に囲まれた方が輝ける」【現地発】

2023年01月04日 ミケル・レカルデ

日本代表では守備に奔走させられていた

オサスナ戦でメンデスの先制弾をお膳立てした久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 レアル・ソシエダのタケ・クボ(久保建英)は、ワールドカップ開幕を数週間後に控えたタイミングで怪我をした。当初は単純な脱臼と思われていたが、実際は一時カタール行きが危ぶまれるほど厄介な怪我だった。W杯に備えて力をセーブする多くの選手を尻目に、全力プレーを続ける中で起こったアクシデントだった。

 そんなタケのプロ意識の高さについて、イマノル・アルグアシル監督も「タケは分かっている。私のこともチームのこともコミットメントが重要であることもね。我々が求める姿勢をピッチで体現してきたから、レギュラーポジションを確保した。ワールドカップが近づく中でも、試合に出続けたいと願っていたのは他ならぬタケ自身なんだ」と賛辞を惜しまなかった。

 確かにカタールでタケは輝きを放つことができなかったが、これは森保一監督の起用法によるところが大きい。守備に奔走させられていたが、あれでは持ち味を発揮するのは難しい。タケ自身が認めていたように、数か月前までメンバー入りすら当確ランプが点っていなかった日本代表と、主力として君臨しているソシエダとの立ち位置の違いは明らかだった。
 
 W杯後の短いオフを経てチームに合流し、2日しか経過していなかったにもかかわらず、万が一の事態に備えコパ・デル・レイ2回戦のCDコリア戦(5-0)でベンチ入りを果たした事実が、タケがチーム内で勝ち取ったステータスを示していた。

 ラ・リーガ再開初戦となったとオサスナ戦でも当然のようにスタメンを飾った。ポジションは4-3-3の右ウイング。難敵のオサスナに対しても、立ち上がりからひるむことなく立ち向かった。

 改めて明らかになったのが、タケは潤滑な意思疎通が取れて、パスを交換できるチームメイトに囲まれた環境のほうが輝きを放てることだ。先制点もそんなタケの連係力が決め手になった。

 22分、ソシエダのスローインからだった。ブライス・メンデスがタケとのワンツーパスでペナルティエリア右に侵入。タケの最後のパスは相手DFの足に当たるというラッキーな部分もあったが、メンデスは右足の鋭い切り返しから左足で流し込む天使のようなフィニッシュワークで仕留めた。

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