【鹿島】カイオが抱く“代表”への想い。中田CROも期待を寄せる

2015年11月08日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

2ゴールともシュート精度が高く、打つタイミングも秀逸。

第2ステージ16節・横浜戦の10分。カイオは左足のコントロールショットでGKの脇を抜き、貴重な先制点をもたらした。 (C)SOCCER DIGEST

 気持ちを前面に出して戦い、中盤の攻防で上回り、もったいないミスは少なく、決めるべき選手が決める。リーグ戦ここ10試合負けなしと好調をキープしていた横浜に、鹿島が圧倒的な実力差を見せつけて勝ち切った。そのなかで、ひと際輝きを放ったのがカイオだった。
 
 10月31日のナビスコカップ決勝では後半から出場し、躍動感溢れるドリブルで相手を手玉に取り、ダメ押しとなるチーム3点目を決めた。この日の横浜戦では、怪我で離脱した中村の代わりに先発出場。「先発のほうが選手としては嬉しいが、途中交代でもチームのために全力を尽くすだけ」と語るカイオは、早速10分に違いを生む。
 
 遠藤のドリブルに並走して前線へ駆け上がると、「良い形でフリーになれた」(カイオ)ところでスルーパスを受ける。思い切りよく振り抜いた左足のシュートは、ポストに撥ね返ってゴールネットを揺らした。
 
 後半に入っても、カイオは止まらない。64分、ピッチ中央付近でボールを受けた背番号7は、そのままドリブルで仕掛ける。そして「相手がズルズル下がってシュートコースができた」(カイオ)と見るや、狙い澄ました右足で2ゴール目を奪ったのだ。
 
 左足の1点目と、右足の2点目。どちらもシュート精度が高く、打つタイミングも秀逸だった。とりわけ追加点のシーンは自身も満足のいくものだったようで、「見てのとおり綺麗なゴールになった」(カイオ)と笑顔を浮かべる。
 
 これでチームトップの10得点。ふた桁ゴールの大台に乗せた。これだけの活躍を続ければ当然、あの質問が飛ぶ。
 
「日本代表入りについてはどう考えていますか?」
 
 17歳で来日し、千葉国際高を出たカイオは、日本代表への帰化が噂されている。カイオはまっすぐ前を見つめ、「毎回それを訊かれる度に答えていますが、僕はぜひともそこに辿り着きたい。プロになるチャンスをくれた日本に、恩返しできれば嬉しい」とコメントした。

次ページすでに国内トップクラスのタレントは、宇佐美と比べても見劣りしない。

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