「日本が上だったけど、勝ち方を知らなかった」クロアチア守護神が振り返る森保Jとの激闘「相手のキッカーはナーバスになっていた」【W杯】

2022年12月08日 リカルド・セティオン

「彼らが自信を失っていく時間でもあった」

日本との一戦について振り返ったリバコビッチ(左)。(C)Getty Images

 クロアチア代表が日本代表を破った一戦でヒーローとなったのが、1-1で突入した   PK戦で3本をストップしたGKのドミニク・リバコビッチだった。

「この試合は日本の方が上だった。それは試合を見たすべての人が知っているだろう。ただ、日本は勝ち方を知らなかった」

 試合後の取材で、そう切り出した殊勲の守護神は、「日本は120分間で勝つことができなかった。同点にされてからの時間は、彼らが自信を失っていく時間でもあった。僕たちにとっては、1分ごとに『PK戦なら勝てる』と自信を深めていく時間でもあった」と話し、こう言葉を続けている。
 
「PKではゴールマウスでいかに自分を巨大に見せるかが重要だ。そして蹴る者も止める者も、冷静でいるのが何より大事だ」

 さらに、南野拓実、三笘薫、吉田麻也の3人のキックを止めたPK戦について、「それにしても日本のキッカーたちに何が起こったのかはわからない。ペナルティスポットに立った時、彼らは皆すごくナーバスになっていた。それはゴールキーパーには伝わるんだ」と明かしている。

「PK戦なら勝てる」という心理的余裕が、クロアチア勝利の一因になったのかもしれない。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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