【W杯|優勝予想】決勝戦への道が約束されそうなのがブラジル。タレント豊富なポルトガルはフランスを叩く力を秘める

2022年12月08日 加部 究

スイスやセルビアには1本も枠内シュートを許さず

R16で韓国に圧勝したブラジル。攻守に充実し、随一の安定性を誇る。(C)Getty Images

 ベスト8が出揃ったカタール・ワールドカップ。ここからさらに熾烈なバトルが予想されるが、最後に黄金のトロフィーを掲げるのはどの国か。スポーツライターの加部究氏に優勝予想を訊いた。

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 ラウンド(R)16では、唯一日本だけがグループステージ(GS)で首位通過ながら敗れ、結局E組は真っ先に全滅した。3連勝が皆無だったのは、2戦目で突破を決めた国が過密日程を考慮しターンオーバーを選択したからで、フランス、ブラジル、ポルトガルの3か国はGS最終戦を落としたが、休養十分のR16は快勝した。そしておそらく最終的にカップを掲げるチームは、この3か国の中から生まれるはずである。

 まず最も確実に決勝戦への道が約束されそうなのがブラジルだ。もはやサッカーの王国は、奔放にプレーを楽しむだけではなく、全員が豊富な運動量と迅速な守備へのアプローチを誇り随一の安定性を誇る。来日した際の日本戦もそうだったが、今大会でもスイスやセルビアには1本も枠内シュートを許さず、R16の韓国戦では6本を許し1失点を記録したが、すでに4ゴールを決めてリラックスムードに入ってからだった。
 
 歴代の伝説的なチームに比べれば爆発力や娯楽性では劣るが、滅多にチャンスさえ作らせない守備力は出色で隙がない。もし決勝戦までに障害になるとすれば、最後の大会に賭けるリオネル・メッシの一撃くらいだろう。

 一方フランスとポルトガルは、現在最も育成力に長けた人材の宝庫だ。フランスは、前回優勝の立役者ポール・ポグバやエンゴロ・カンテ、さらにはチャンピオンズリーグでレアル・マドリーの優勝を牽引したカリム・ベンゼマまでも失いながら、攻守両面で一切陰りがない。大会に入ってもリュカ・エルナンデズを故障で欠くことになったが、即座に弟のテオ・エルナンデズが穴を埋めた。現状で非常事態に直面するとすれば、ケタ外れのスピードと創造性を備え、すでに5ゴールのキリアン・エムバペが故障した場合だけだ。

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