「遠藤は唯一無二の存在になれる」元日本代表MFがカタールW杯を戦った日本代表全26選手を5段階評価!「ただひとりの“S”は…」

2022年12月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

冨安評「自然とチームを良い方向に持っていった」

先発出場で黒子に徹した前田(左)。クロアチア戦では絶妙な位置取りから先制点を決めた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本代表のカタールでの戦いは、ベスト8を前に幕を閉じた。

 アジア勢として初めて2大会連続の決勝トーナメント進出を果たす快挙を成し遂げたが、ラウンド16でクロアチアにPK戦の末に敗れ、悲願の"世界8強入り"はふたたび4年後に持ち越しとなった。

 元日本代表MFで、現地カタールで森保ジャパンのゲームも観戦した橋本英郎はサムライたちの挑戦をどう見たのか。今回は登録メンバー全26選手(未出場の選手は除く)のパフォーマンスと森保一監督を5段階(S、AA、A、B、C)で評価してもらった。

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【GK】
権田修一(清水エスパルス)
4試合出場(390分) ■評価:AA
「ドイツ戦でPKを取られた点はマイナス要因だが、その試合の中でも気持ちを切り替えてビッグセーブを連発。コスタリカ戦では難しい失点もあったが尾を引くことなく、スペイン戦、クロアチア戦と安定したパフォーマンスを発揮した。特にクロアチア戦はひとつのミスも許されない雰囲気にあって、空気に呑まれず、守護神としてゴールマウスに立ち続けた」

【DF】
吉田麻也(シャルケ)
4試合出場(390分) ■評価:A
「苦しい時間を何度も乗り越えさせ、不安定になる守備を何度も修正して安定をもたらした。コスタリカ戦のミスは痛かったが、大会を通じて安定した守備を見せてくれた」

板倉 滉(ボルシアMG)
3試合出場(270分)/1アシスト ■評価:A
「彼の出場にゴーサインが出たことで3バックのオプションが生まれ、ドイツ戦の勝利に繋がった。対人でもほぼ負けなしで安定。スペイン戦の失点シーンは吉田選手とのコミュニケーションにおける一瞬の出来事で残念だった。4年後が楽しみになるパフォーマンスだった」

長友佑都(FC東京)
4試合出場(211分) ■評価:B
「苦しい役回りで、結果に直結するプレーは発揮できず。ただ、上手くいっていない時間帯でも耐えるプレーを徹底。それによってドイツ戦、スペイン戦の逆転勝利に繋げられた。クロアチア戦はチームとして機能していただけに、攻撃面での課題が浮き彫りになってしまった」
 
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
2試合出場(210分) ■評価:A
「3戦目からの出場で難しいなか、コンスタントなパフォーマンスを披露。ミスもほぼなく、ポゼッションでも優位に立てるよう心がけ、受け手に対してメッセージのあるパスを送り続けた」

冨安健洋(アーセナル)
3試合出場(186分) ■評価:A
「クロアチア戦以外は短い時間の出場だったが、チームポゼッション、カバーリングと目に見えない部分を休まずに怠らずしっかりとプレー。自然とチームを良い方向に持っていく力は素晴らしかった。残念だったのは、クロアチア戦の失点シーン。伊東選手とのコミュニケーションで防げた可能性もあり、また自分のマークを吉田選手に渡せていたら状況は変わっていたはず。今後は怪我との向き合い方が鍵になりそうだ」

酒井宏樹(浦和レッズ)
2試合出場(119分) ■評価:B
「初戦でもっとできたはずと、個人的に正直感じた。クロアチア戦はいつもの酒井に戻っていたのが嬉しかった」

山根視来(川崎フロンターレ)
1試合出場(62分) ■評価:C
「大会前の親善試合(カナダ戦)に引っ張られていた印象。パフォーマンスがさほど悪くなっていたわけではないが、彼自身がチャレンジできるメンタリティー、置かれた環境と状況が良くないのが残念だった」

伊藤洋樹(シュツットガルト)
1試合出場(45分) ■評価:C
「急成長してメンバー入り。連携面などの足りない部分が本番で出てしまったように感じた。彼自身の能力というより周りとの関係性のところで、プレースタイルを確立しきれていなかったのがコスタリカ戦で現れてしまったように思える。まだまだ伸び盛りなのでプレーの幅を広げて、次回ワールドカップでは主力になっていてほしい」

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