「メッシのようだ」日本代表がドイツ戦で最も警戒すべきは、独レジェンドが絶賛する19歳だ【W杯】

2022年11月23日 中野吉之伴

バイエルンでチーム最多の9得点

日本代表が要警戒のムシアラ。(C)Getty Images

 日本代表がグループリーグ初戦で対戦するドイツ代表において、最も警戒すべき選手はバイエルンでプレーするジャマル・ムシアラではないだろうか。
 
 19歳ながらすでにバイエルンでの公式戦は100試合を超える。今シーズンはブンデスリーガ14試合に出場し、ここまでチーム最多となる9得点。バイエルン監督のユリアン・ナーゲルスマンからの信頼は絶大で、2アシストの活躍を見せた15節シャルケ戦後には「ムシアラは多くの状況でボールを足下に残せる。非常に素早く、機敏な足の運びがあるからだ。彼の動きは本当にとても速い」と称賛の言葉を残している。

 中断前最後となったシャルケ戦でのふたつのアシストはどちらも素晴らしいものだった。38分、ペナルティエリア内へタイミングよく侵入して、セルジ・ニャブリからのパスを受けるとシャルケDFからの激しい守備に動じることもなく、ヒールキックでゴール前のスペースへパスを通して、ニャブリのゴールをおぜん立て。

 52分の2点目は起点から関わった。シャルケCKをクリアしたバイエルンはレロイ・ザネからカウンターへ動き出していたムシアラへパスが渡る。ドリブルで少し運んでから右サイドへ走りこんできたニャブリへパスを渡すと、ムシアラはそのままタイミングを見計らいながらセンターのスペースで調整。ニャブリが右サイドで相手のマークを引きつけたところでパスを返すと、そこからはスピードに乗ったドリブルでゴール付近まで運び、そして最後には、数的有利な状況からペナルティエリア内へ走りこむマキシム・シュポ=モティングへ柔らかなラストパスを通した。

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 こうした好プレーの数々に元ドイツ代表レジェンドでテレビ解説を務めるローター・マテウス氏も「私はムシアラのファン」と公言し、シャルケ戦後にこれ以上ないほど絶賛した。

「彼のプレーを見ていると自然と笑顔になってしまう。彼が試合で見せてくれるプレーの数々をみただろうか。ヒールパスでニャブリのゴールを、シュポ=モティングが走りこむところへの夢のようなパスでそれぞれアシスト。彼は我々みんなを魅了している。どんな試合でも彼がピッチでプレーしている姿をみたい。そのあとで見せてくれたプレーは魔法のようだった。メッシのようだ。本当に素晴らしい。バイエルンから決して去ってはならない」

 マテウス氏が熱狂したのは67分のプレーだ。ゴレツカからの浮き球パスに反応したムシアラはシャルケDF2人とGKとに囲まれながらも、巧みな身のこなしとボール扱いで、まるで相手のマークがなかったかのようにするりと交わしてゴールを決めたのだ。オフサイドの判定で得点は取り消しとなったが、ムシアラのすごさをまざまざと感じさせられたシーンだった。

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