日本代表 26の肖像/南野拓実|守備面を考えれば先発の可能性は十分にある。前10番も「頑張ってほしい」とエール【W杯】

2022年11月23日 元川悦子

森保Jでは最多の通算17ゴール

日本の「10番」を背負う南野。本番で持てる能力を存分に発揮できるか。(C)Getty Images

 ついに幕を開けたカタール・ワールドカップ。森保一監督が率いる日本代表は、いかなる戦いを見せるか。ドイツとの初戦は11月23日。ベスト8以上を目ざすサムライブルー、26の肖像。今回はFW南野拓実(モナコ)だ。

――◆――◆――

「試合にしっかり出場して、最高のコンディションでワールドカップ(W杯)を迎えたい。かつレベルアップしなきゃいけないなとブラジル戦でも感じたので、そういう部分を踏まえて決断できたらいいと思います」

 今年の6月シリーズの際、去就についてこうコメントしていた南野拓実。「今年は勝負を賭ける」と公言した2021-22シーズンのリバプールで納得がいく結果を残せず、今夏の移籍を選んだ。

 だが、新天地モナコでも適応に苦しみ、周囲からも酷評されてしまう。それでも10月末からようやく復調。リーグ戦で先発が続き、11月6日のトゥールーズ戦ではブリール・エンボロの2点目をアシストしている。動きにもキレが出てきただけに、W杯本番でのブレイクが待たれるところだ。

 紆余曲折の続く南野だが、そもそも彼は森保ジャパンで最多の通算17ゴールを奪っている点取り屋。アルベルト・ザッケローニ監督時代に19歳で代表候補に呼ばれ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の2015年にも、短時間だが2試合で起用されながら代表定着が叶わなかった男にとって、森保体制での主力抜擢は念願が叶った形だったに違いない。
 
 18年9月のコスタリカ戦からトップ下で起用されると、2018年は4得点、2019年は7得点。特に2次予選では4戦連続弾と、日本の得点源として絶大な存在感を示した。

 同時期に、ザルツブルクでのチャンピオンズリーグでの活躍が認められ、リバプールへ飛躍。名実ともにトッププレーヤーと認められたところまでは良かったが、最高峰クラブで想像以上の壁にぶつかる。

 そして代表でも鎌田大地(フランクフルト)の台頭で、南野は左サイドでの起用が多くなる。2021年後半戦のサウサンプトンでのプレーを見て、森保一監督はそう判断したのだろうが、ゴールからの距離が遠くなった分、守備の負担が増え、得点のチャンスが減るという悪循環に陥ってしまった。
 

次ページ鎌田と並べば連動性が生まれる

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事