森保ジャパンはドイツ戦にどんな布陣で挑むべきか。冨安の左SB起用は一案、左サイドには前田を推す【小宮良之の日本サッカー兵法書】

2022年11月21日 小宮良之

日本は能動的なサッカーを捨てずに戦える

23日にドイツ戦に挑む森保ジャパン。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 11月23日、日本代表はカタールワールドカップでドイツ代表との開幕戦を迎える。グループリーグは短期決戦で、何が何でも勝点を拾う必要がある。過去の大会を振り返っても、初戦に負けると厳しい。

 個人的には、「日本は能動的なサッカーを捨てずに戦える」と考える。

 フランクフルトで鎌田大地は守備のタスクもこなしながら、攻撃でも決定的仕事をしている。あるいは久保建英も、レアル・ソシエダで強豪相手に真っ向勝負でボールを握って渡り合い、ヨーロッパリーグではマンチェスター・ユナイテッドを撃破した。他に堂安律、三笘薫、さらにメンバー外になった旗手怜央も、レアル・マドリーと互角に戦い…。しかし、もはや是非はない。
 
 森保監督は「サッカーを捨てる」受身的戦いを選んでいる。プレッシング、リトリート、カウンター。26人のメンバー選考からして歪みが見えるほど、「森保のサッカー」をするための兵法である。

 無論、それも一つのアプローチだ。
  
 そこで布陣だが、GKはせめてシュミット・ダニエルに懸けたい。欧州戦線で奮闘。大柄な体躯を行かせるようになった。権田修一は総合力こそ高いが、降格チームのGKで、前哨戦のカナダ戦でも不安定さが如実に表れていた。

 バックラインは、屈強でソリッドな面々を揃える。酒井宏樹、吉田麻也、板倉滉、冨安健洋。これだけの面子をバックラインに揃えたことは、代表史上ない。冨安は代表ではセンターバックだが、アーセナルでは右サイドバックが定位置で、左サイドバックとしてもモハメド・サラーを完封し、能動的守備ができる。左サイドバック起用も一案だ。

 中盤も、まずは強力な堀、石垣となる。遠藤航、守田英正の二人で防御ラインを構築。バックラインの前に立ちはだかる。二人とも、欧州で実績を積んでいるMFで期待したいが、両者ともに脳震盪と筋肉系の違和感で、カナダ戦を見送り、不安は残る。控えには2部でのプレーでもすでに柴崎岳を上回る橋本拳人を招集すべきだったが…。

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