「日本代表への早期合流許可は感謝のメッセージ」久保建英の“貢献度”にソシエダ番記者が感銘「ありがとう、タケ」【現地発】

2022年11月11日 ミケル・レカルデ

「タケの復帰を誰よりも喜んだのが…」

ここまで17試合に出場して2ゴール・4アシストをマークしている久保。(C)Getty Images

 タケ・クボ(久保建英)はすでにW杯モードに切り替えた。カルロス・フェルナンデスの負傷で、急遽出番が回ってきたセビージャ戦で、4戦ぶりの実戦復帰を果たした。レアル・ソシエダは13日、コパ・デル・レイ1回戦、カザレガス戦に臨むが、タケはその試合を待たずして、日本代表に予定より早くに合流することになった。

 クラブがこの早期離脱を認めたのは、加入以来の貢献に対する感謝のメッセージが込められている。セビージャ戦でもタケは奮闘を見せた。試合開始から10分も経たないうちに、カルロス・フェルナンデスが足の痛みを訴え、ベンチに交代を要求。現在ソシエダはとりわけ攻撃陣に多くの怪我人を抱えている。前回の記事でレポートした通り、タケも100%のコンディションではなかったが、選択肢が限られているイマノル・アルグアシル監督は前倒しで起用せざるを得なかったのが実情だろう。
 

 実際、この試合が同じく復帰戦だったダビド・シルバをスタメンで起用し、タケをベンチスタートにした指揮官の判断を裏付けるように、まだしっくりきていない様子で、試合中、左肩を気にするシーンも何度か見られた。日本代表で適切な治療を受け、11月23日に行われるドイツとの初戦に万全のコンディションで臨めることを切に願っている。

 タケの復帰を誰よりも喜んだのが、怪我する前まで2トップを形成していたアレクサンダー・セルロトだろう。ただシステムはいつもの4-4-2から4-3-3へシフト。タケは左サイドを主戦場にプレーした。これはイバン・ラキティッチとタンギ・ニアンズの退場で、ソシエダが2人多い状況でプレーしていたことと関係していた。

 チャンスをいくつも創出したという点においては、タケは素晴らしいプレーを見せた。初めて相手GK、ヤシン・ボノの付近に顔を出したのは23分。しかしボールを追っている中、ネマニャ・グデリのクリアボールが後頭部に直撃し、しばらくの間、意識が朦朧としてしまう不運に見舞われた。

 ハーフタイム間際には、立て続けに左サイドから鋭いクロスを送り込んだ。しかしシルバのシュートはGKボノの正面を突き、ヘスス・ナバスからボールを奪い作り出したチャンスは、セルロートがゴールに結びつけることができなかった。

【動画】「ガチでエグい」「やべぇな」復帰戦で躍動した久保建英のプレー集をチェック

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