「カマダは攻撃のタイミングがいい」ボランチでゴール量産、指揮官も賞賛する鎌田大地。CL16強入りにチームの成長を語る「ハセさんが出たときに比べたら足りない。でも…」【現地発】

2022年11月05日 中野吉之伴

守備戦術が浸透しているから、鎌田のボランチもスムーズにはまっている

CLで3試合連続ゴールをマークするなど躍動する鎌田。(C)Getty Images

 日本代表MFの鎌田大地、元日本代表キャプテンの長谷部誠がプレーするフランクフルトがチャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグ最終節でポルトガルの強豪スポルティングを2-1で下し、クラブ史上初となるCLのグループステージ突破を果たした。

 CLだけではなくブンデスリーガでは12節終了時で5位をキープし、DFBポカールでも3回戦に進出。いまやチームになくてはならない存在となっている鎌田がトップ下でもボランチでも攻守に違いを生み出すプレーをコンスタントに披露したり、いまは負傷離脱中の長谷部がベテランならではの落ち着き払ったプレーでチームに極上の安定感をもたらしたりと、チーム好調の要因は様々にある。

 監督のオリバー・グラスナーは、チーム全体の守備バランスが非常にうまく取れているのを大事にしており、5-1と快勝したブンデス第10節のレバークーゼン戦後の記者会見で、その点を改めて強調していたことがある。

 5得点も挙げた試合となると報道陣からの質問も攻撃陣のプレーに集まる。そんななか、オフェンス陣で唯一無得点だったマリオ・ゲッツェのプレーについて聞かれたグラスナー監督は、この試合における最も重要だった点は、レバークーゼンのビルドアップを阻止し続けた前線からのプレスについてだったと明確な言葉で答えていた。

「相手が3-4-3で来ることはわかっていた。マリオは相手のセンターバックがボールを持った時にボランチへのパスコースを常に消しながらボール保持者へプレスをかけてくれていた。おかげでレバークーゼンはそこから狙いのある展開をすることができず、我々は自分たちがボール奪取を狙うサイドへ上手く誘導し、ボールをどんどん奪うことができた」

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 レバークーゼンは今季のリーグ戦で不調とはいえ、攻撃陣にはスピードと技術レベルの高い選手をそろえている。彼らに自由にプレーをさせると苦しい。だからその起点となるパスの出所を抑えることが非常に大切だった。

「守備はいつもフォワードから始まる。レバークーゼンのハーフスペースへのビルドアップを狙っていた。そこをうちの前線の選手がつぶしていた。レバークーゼンはこちらがプレスをかけたいところにしか、ボールを運べなかった。それがあるから守備全体が機能する」(グラスナー)

 チームとしての守備戦術がしっかりと浸透しているから、鎌田のボランチも非常にスムーズにはまっている。「カマダは状況に応じてのプレーを見せてくれた。アタックのタイミングがいい」とグラスナーも称賛していたが、前線が正しいタイミングでプレスをかけるので鎌田も狙いを定めた鋭いアタックを仕掛けられるのだ。
 

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