中村俊輔は現役ラストマッチで何を魅せる? FKは「簡単じゃないから」。強調したのは「その時に応じたベストのプレー」

2022年10月20日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

たとえ1分でも、求められるのが守備なら、やる

引退発表の翌日、取材に応じた俊輔。23日の熊本戦に向けて意気込みを語った。(C)SOCCER DIGEST

 10月18日に今季限りでの現役引退を発表した横浜FCのMF中村俊輔。その翌日に、メディア対応で23日のJ2最終節・熊本戦に向けて意気込みを語った。

 敵地での一戦は、俊輔にとって"現役ラストマッチ"となるかもしれない。もし出場のチャンスがあれば「全力で、いつもどおり自分のプレーができるように」とイメージ。「ずっと攻められて、守備して、それで終わっても、それはそれで」と泰然と構える。

 他会場の結果により、試合前にJ1復帰が確定して迎えた前節の金沢戦では、途中出場で約5か月ぶりにピッチに立った。負傷明け最初の実戦で、自慢の直接FKやダイビングヘッドで見せ場を作った。

 状態は悪くないはず。本人も「(コンディションは)上がっていると思う」と語る。ハイパフォーマンスが期待できそうな熊本戦を、選手として集大成となるゲームになるかと問えば、「そんなことはない」と俊輔は否定する。

「だって、何分出るか分からないし。自分の理想はいつまでもあるけど、現実はそうじゃないから。1分だったら1分なりの、最後、守り切るんだったら、前からディフェンスして、とか」

 日本サッカー界で一時代を築いた男の最後の雄姿を、多くのファン・サポーターが注目するはず。ただ、俊輔自身に気負いはないし、もはや達観しているとも言える。「その時、その時に応じたベストのプレー」に集中するだけだ。
 
 たとえばFKを決めちゃうとか? しつこく食い下がれば、44歳のレフティは「いやいや、簡単なもんじゃないから」と諭し、「ベストのプレーですよ、その時、その時の」と繰り返す。

 ミーティングでは「監督が、俺がもう引退するっていうことで、最後の試合、みんなで頑張って送り出す、みたいなことを言ってくれた」という。

 26年間のキャリアに、俊輔はどんな形で幕を下ろすのだろうか。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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