11年ぶりの国立でJFL最年長出場記録を更新したカズ。無得点も「ゴールよりも勝利と割り切っている」とサラリ。相手選手との握手については…

2022年10月09日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

守備でも積極的なハイプレス

ピッチ内外で抜群の存在感を放ったカズ。(C)SOCCER DIGEST

[JFL第24節]クリアソン新宿 0-1 鈴鹿ポイントゲッターズ/10月9日/国立競技場

 リーグ史に残る一戦で、抜群の存在感を放った。

 鈴鹿ポイントゲッターズに所属する元日本代表FWの三浦知良が、国立競技場で行なわれたJFL第24節のクリアソン新宿戦で、76分から途中出場した。

"聖地"での公式戦は11年ぶりで、2019年に新築された"新国立"では初のプレー。55歳のFWは、自身が持つJFLの最年長出場記録を更新した。

 この試合は、新宿が初めて、JFLでは2度目の国立開催。"新国立"ではリーグ初の試合だった。観客数は1万6218人にも達し、JFL史上最多となった。

 カズは1—0の状況で前線に投入されると、シュートこそなかったものの、ゴール前への飛び出しなどで味方のチャンスを演出。守備でも積極的なハイプレスで、チームの完封勝利に貢献した。

 また、ピッチ外では、試合直前に新宿の選手一人ひとりと握手。相手プレーヤーたちは笑顔を見せていた。

"キング"は試合後、上下黒のスーツにシャツも黒でビシッと決めて取材に対応。途中出場やプレーで心がけた点について、こう振り返った。

「1-0で勝っている状況で途中から。失点しないように、しつこく戦わないといけないと思っていた。前に出て攻撃の形も作りたかったが、ゴールばかり考えると穴ができてしまう。慎重に行った感じだった」
 
 11年ぶりにプレーした国立競技場は「重みがある」として、JFL最多観客数については「クリアソンの努力の成果。ひとつの歴史だと思う」と称える。「出られた選手は良い経験ができたし喜んでいた。やっぱり、国立でやるのは気持ちが違うのでは」と語った。

 また、自身が途中出場となった点については「ここ何年かベンチから見る試合が多い。本当に監督の判断は難しいと思う。入るほうも難しいなと。得点を期待されているのは分かるが、1-0で勝手なプレーはできない。自分の中では、ゴールよりも勝利と割り切っている」と明かす。

 試合前の握手については「戦う相手なので、感謝を込めて。できるだけ相手選手とは握手するようにしている」とのことだ。

 カズが「Jリーグ以上にハングリー精神を持ってやらないと闘えない場所」と称するJFL。今季は残り6試合となった。今後に向けて「チームは勝利を重ねること。Jリーグでプレーするために僕らができるのは、ピッチ上でハードワークして結果を残す。力を試す試合にしたい」として、自身は「チームとしてチャンスを作る。そのなかで自分がフィニッシュできれば。ゴールだけにこだわるのではなく、一つひとつサッカーの質を高めたい」と意気込んだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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