【日本代表】本田、香川、岡崎。それぞれが掲げる攻撃の”ネクストステップ”

2015年10月11日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

「相手によって前半のなかでスタイルを変えられれば」(本田)

シリア戦はポジションに微修正を加え、勝利を引き寄せた本田。前半途中から変えられればレベルアップできると語った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選の山場であるシリアとのアウェーゲーム(政情不安のため中立地のオマーンで開催)を制した日本代表は、グループEの首位に立って2次予選の半分を折り返した。ひとまずノルマの1位通過へ道が開けたが、チームが解消すべき課題は少なくない。攻撃のキーマンである本田、香川、岡崎の3人も、それぞれに思うところがあったようだ。

【日本代表PHOTO】10.13イラン戦に向けたトレーニングの模様
 
「僕みたいなタイプは、外に張っていても特になにも見せられないで終わってしまうことがだいたいなんで。中に入っていったほうが、チームとしてもよりコレクティブに機能すると思います」
 
 そう語るのは、右ウイングの本田だ。タイトなプレスを受けた前半はボールの供給を得られずに持ち味を発揮できなかったが、中央寄りにポジションを移した後半に1ゴール・1アシスト。本人が言うように「中に入っていったほうが」機能性が高く、チームとしてゴールに迫る回数も増加した。
 
 シリア戦は相手が前からプレスに来たために、中盤やバイタルエリアにスペースが空き、そこを本田が使えたという側面はある。引いてスペースを埋めてくる相手に対して同じことをすれば、「シンガポールみたいに引かれると、今度は幅を取ったほうがよかった、みたいなことも言える」と述べたように、バイタルエリアが渋滞して攻撃が滞ってしまうだろう。前に出てくるシリアが相手だったからこそ、中央寄りのポジショニングが効いたのだ。
 
 では、引いた相手に対しては、どんな対応をすべきなのか。その解答について、本田は以下のように語った。
 
「原口みたいにドリブルが得意な選手がいるサイドは、逆に張ったままとか、使い分けがあるとさらにいい。チームとして攻撃パターンが両極端になるのではなくて、相手によって前半の中でスタイルを変えられるようになれば、もっと強いチームになるかなと」
 
 原口なら突破力を前面に押し出し、本田ならコンビネーションを軸にする。宇佐美や清武といったジョーカーについても同じで、それぞれのセールスポイントを引き出せるポジショニングやスタイルを確立し、それを柔軟に「使い分け」るのが本田が見据える理想像だ。

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