“難航”に見えたガビとバルサの契約延長の舞台裏。決め手となったのはシャビ監督の評価「プレー強度は凄まじいものがある」【現地発】

2022年09月29日 エル・パイス紙

カンプ・ノウの事務所から不満の声が上がった

シャビ監督(左)も賞賛を惜しまないのがガビ(右)だ。(C)Getty Images

 先日、バルセロナはガビことパブロ・マルティン・パエス・ガビラと2026年6月30日までの契約延長で合意したことを発表した。契約解除金は昨シーズン、同じく契約を延長したアンス・ファティ、ロナウド・アラウホ、ペドリと同額の10億ユーロ(1400億円)に設定。新戦力補強と並行して、クラブは若手逸材の囲い込みを着実に進めている。

 もっともガビに関しては、その道のりは決して簡単ではなかった。クラブとガビの代理人、イバン・デ・ラ・ペーニャとの話し合いは、昨年9月に始まった。当初から、両者の主張には大きな隔たりがあった。

「現時点では超逸材に過ぎないのに、スーパースター級のサラリーを要求している」と、カンプ・ノウの事務所から不満の声が上がった。一方、ガビサイドも対案を出しても、回答を得るまで3、4週間待たされるという交渉のペースの遅さに痺れを切らしていた。

 とりわけクラブからオファーを待っていた最中の今年の5月に、ジョアン・ラポルタ会長が行なった「デ・ラ・ペーニャが我々の提案を好意的に受け止めてくれることを期待する」という発言は彼らを困惑させた。

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 英紙「ザ・サン」によると、ガビは、リバプール、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドからアプローチを受けていたという。しかし、同じくプレミアのビッグクラブから巨額のオファーを受けても、バルサ愛を貫いたフベニール時代がそうだったように、ガビの希望は当初から残留で固まっていた。

「手応えは常にあった。ガビの夢はバルサにある。本人と代理人がそのことを示してくれた」と、スポーツ・ディレクター(SD)のジョルディ・クライフは強調。シャビ監督も、「ガビは競争心の塊だ。競り合いを制し、ボールを奪い、インテンシティを発揮する。とくに即時奪回で見せるプレー強度は凄まじいものがある。素晴らしい才能の持ち主で、違いを生み出してくれる。彼のような選手を指導できるのは監督冥利に尽きるよ」と絶賛する。

 最終的にガビにアンス・ファティやペドリに匹敵する内容のオファーを提示したのは、この指揮官の高評価も背景にあり、その好条件が決め手となり夏の移籍市場終了時に双方はすでに合意に達していた。
 

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