【今だから言える15年夏の超極秘話⑥】ソリアーノとデ・ヘアの移籍が土壇場で流れた理由

2015年10月09日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ナポリのデ・ラウレンティス会長の最後の最後でボイコット?

今夏のナポリ移籍が土壇場で破談になったソリアーノは、9月18日にサンプドリアとの契約を2020年まで延長した。(C)Getty Images

 ロベルト・ソリアーノ(サンプドリア)のナポリ移籍が最後の最後に流れた話は、これまでに見聞きしたことがないエピソードのひとつだ。
 
 ソリアーノにはミランも興味を示しており、そちらが第一希望だった本人が、ナポリ行きをずっと躊躇していた。彼が最終的に決断したのはイタリアの移籍期限最終日(8月31日)の夕方。それから契約書の細部を詰めている間に時間切れとなり、リーグに登録できなかったというのが一般的に報じられている経緯だ。
 
 しかし実際には、ナポリが土壇場になって取り引きを拒んだのが真相らしい。移籍期限まで残り1時間を切った時点でソリアーノのもとに届いた契約書の内容は、口頭で合意していたものとは金額もその他の条件もまるで違っていたという。その時点で契約書を作り直す時間はすでになく、そのまま取り引きは流れたというわけだ。
 
 では、獲得を望まなかったのはナポリの誰だったのか。そもそもこの話に一番乗り気でなかったのは、ほかでもないナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長だ。したがって、最終的には会長の決断により移籍が不成立となった可能性が高い。
 
 例えば、マンチェスター・ユナイテッドとレアル・マドリーが合意したダビド・デ・ヘアとケイラー・ナバスの交換トレードが不成立となったのは、単純に交渉が長引いて時間が足りなくなったのが理由だ。
 
 しかしソリアーノの件は、ナポリ側が合意した内容と異なる書類を意図して送るという、一種のボイコットによるものだった。
 
 移籍期限ぎりぎりのドタバタ劇を何度も目にしてきた私にとっても、これは初めてのケースである。

次ページメンデスはデ・ヘア移籍に失敗したが、マルシアルの高額取り引きをまとめて面子を保った。

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