「サイトウは最高の選手だ」蘭移籍の斉藤光毅、衝撃デビューでファンの心を掴むも…直面した課題。「FWだと迷いなくプレーできるんですけど…」【現地発】

2022年09月20日 中田徹

「自分がもっと信頼されていれば多分、逆になる」

デビュー戦で2アシストをマークし、一気に評価を上げた斉藤。(C) Getty Images

 今シーズン、ロンメル(ベルギー)からスパルタ(オランダ)に期限付き移籍した斉藤光毅は、負傷もあってなかなか出場機会を得られなかったが、第5節のフォーレンダム戦(4-0でスパルタの勝利)で66分からプレーすると左サイドを活性化。2アシストを含む3得点に絡むセンセーショナルなデビューを飾り、一気にサポーターの人気者になった。

 続く強豪のフェイエノールト戦では前半33分、ストライカーとして急遽出場。チームは0-3と完敗したものの、得意のドリブルから何度かチャンスメークし、第7節のフローニンゲン戦(9月17日)で初のスタメンを勝ち取った。

 スパルタは試合終了間際のゴールで2-1と勝利。しかし、あまり決定機を作ることを出来ずに76分にベンチへ退いた斉藤は試合後、浮かない表情をしていた。

「デビューマッチは途中から出て、まあまあの結果を出し、フェイエノールト戦でちょっと長い時間出て、今日はスタメンといういい流れだったんですけれど、今日のプレーはぜんぜん満足できないです。決定機を作れなかったこともそう。自分のプレーをあまり出せなかったというか、なんかスッキリしない感じあります。あまり自分自身が楽しめませんでした」

【動画】衝撃のデビュー!キレッキレの斉藤光毅がマークした2アシストをチェック
 5バックシステムを採用するフローニンゲンに対し、4-3-3を基軸とするスパルタは左ウイングの斉藤のポジショニングでシステムを調整し、彼がウイングバックのようにライン際を上下することになった。

「あそこまで守備に下がってから、攻撃に出ていくというのは、あまり慣れてないから、ちょっと戸惑いました。右サイドは前から、左サイドは後ろから追う形でしたが、自分がもっと信頼されていれば多分、逆になる。その(信頼の)差は、自分が(27分に)倒されてFKを取った時に、FKを蹴りたかったけれど蹴らせてもらえなかった時にもありました。自分のやりたいようなプレーをもっとできるような立場作り、環境作りをしていかないとダメだと思います」

 21歳のアタッカーは「サイドより真ん中のほうが大好き。2トップが一番良いんですけれど、ワントップでも良い」という。

「(DFを)背負うのは得意です。やっぱり自分の身長や、プレースタイル的にもサイドで仕掛ける選手だと最初は思われてしまうんです。でも、フォワードのほうが(語気を強めて)まったく迷うことなくプレーできるんです。サイドハーフだと『ちょっとこれで合っているのかな』と。やっぱり0.1秒の世界なんで、そこで迷いがあるとダメ。フォワードだとなんにも考えること無くゾーンに入れるんですけれど、サイドハーフだと入れない時がある。そこが自分の課題だと思います」

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