【日本代表/シリア戦展望】香川や原口ら“仕掛け屋”が輝けるか? 積極的な交代策にも期待

2015年10月07日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

シリア戦はベストに近い状態で挑めるだろう。

シリア戦の予想スタメン。2次予選の大一番だけあり、“鉄板”のスタメンで試合に挑むはず。左サイドでは原口が宇佐美をリードか。攻めあぐねる展開になれば、柏木や柴崎の早めの投入でビルドアップをテコ入れしたい。

 ハリルホジッチ監督率いる日本代表が、10月8日にグループE・1位のシリアとの直接対決を迎える。この試合はロシア・ワールドカップ・アジア2次予選の山場で、仮に日本が敗れるようなら、2次予選の1位通過が絶望的になる重要な一戦だ。
 
 10月5日から試合会場のオマーンに入った日本代表は、幸いひとりの怪我人も出さずに調整を進めている。もちろん、中東特有の暑さは大きなハンデだが、それでも選手たちは「言い訳にはできない」(南野)と士気は高い。インフルエンザの影響が心配された本田も「そこまで心配されるほど、大したことではなかったんですけども」と語っており、シリア戦はベストに近い状態で挑めるだろう。
 
 6日の練習では、「戦術的な確認をしました」(霜田技術委員長)と内容の濃い練習ができたようで、ミーティングでも「相手のことよりも、まずは自分たちのことだった」(同委員長)と、これまで叩き込んできた戦術の整理に時間を費やしていた。7日の前日練習も確認がメインになったはずで、「全選手がかなりモチベーションが高く、トレーニング中も戦う意識を見せてくれた」(ハリルホジッチ監督)と手応えを得ている。
 
 2日連続で非公開練習となるために明日のスタメンは不透明だが、これまでの采配を考えれば「今年で一番難しく、重要な試合」(同監督)なだけに、大胆な変更があるとは考え難い。やはり、岡崎や本田、香川といった面々が先発に並ぶのは確実で、戦術的にも「これまでの延長線上」(本田)という縦に早いサッカーを志向するはずだ。
 
 もっとも、シリアは引いて守りを固め、カウンターに活路を見出してくる可能性が高い。日本とすれば、そうしたスペースのない状態の相手をいかに崩せるかが、この試合の肝になるだろう。
 
 シリアの守備陣はフィジカル能力に長けたアル・サレフが4バックを統率し、その前でアンカーのアル・フセインが防波堤を務める形が予想される。これまでの予選3試合で無失点と安定感があり、とりわけフィジカル能力に優れた2CBの空中戦の強さは抜群だ。
 
 おそらく、ハリルホジッチ監督は、こうしたシリアの特長を踏まえて今回のメンバーを招集したのだろう。噂されたハーフナーなどの高さを備えたCFよりも、スピードのある武藤や南野を呼んだあたりに、ひとつの思惑がうかがえる。

次ページテクニックとクイックネスを活かした“仕掛け”が有効だ。

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