冨樫ジャパンがアジアの4連戦で得た“気づき”とは? 過酷な環境&中東勢との対戦、新たな経験を糧に本大会へ【U-19代表】

2022年09月19日 松尾祐希

4連勝でグループCを1位で勝ち抜け

U-19日本代表は、U-20アジア杯予選で4連勝。グループ首位突破で本大会へと駒を進めた。写真:佐藤博之

 予選4連勝、22得点・0失点と堂々たる成績で1位抜け――。

 結果だけを見れば、取りこぼさずに来年3月の本大会に進んだのは確かだろう。勝って当たり前の戦いにおいて、周りからすれば、格下の相手に勝って何を得られるのかと思うかもしれない。だが、アジアならではの厳しい環境や未知の中東勢と対戦できた経験値は、何ものにも代え難い財産になった。

 9月10日からラオスで行なわれていたU-20アジアカップ予選で、U-19日本代表はグループCを1位で勝ち抜け。来年5月に開催されるU-20ワールドカップの予選を兼ねる本大会(ウズベキスタンで開催予定)の出場権を手にした。

 冨樫剛一監督率いるU-19代表にとって、中1日の過密日程で行なわれた今予選を4連勝で勝ち上がるのは最低限のミッション。格下の相手が、いくら守備を固めてきたとしても、ゴールをこじ開けて勝点3を手にする必要があった。
 
 終わってみれば4勝0敗。ラオスとの初戦(4−0)、グアムとの第2戦(9−0)、パレスチナとの第3戦(8−0)までは相手を寄せ付けず。イエメンに苦戦した最終戦こそ1−0で終わったものの、きっちり任務を遂行して次のステージに進む権利を得た。

 過酷なアジアの4連戦を戦い抜いた"冨樫ジャパン"。彼らにとって、今予選はチームを強化するうえで欠かせない舞台だった。

 では、何が強化に繋がったのか。大きく分けて、2つの事象がある。

 1つ目は、過酷なアジアの環境で戦えた点だ。U-19の最上級生世代はコロナ禍の影響で、U-16世代以降からほとんど海外遠征を経験できていない。DF中野伸哉(鳥栖)は、一歳年上のチームでU-17W杯やU-16アジア選手権(現・U-16アジア杯)を戦っているが、それ以外の選手は国際試合を知らずに育ってきた。
 

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