ナポリに大敗したミラン――「献身性」と「闘争心」がまるで感じられず…

2015年10月05日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

大した反撃もできず今シーズン最多の4失点を献上

ミランは57分から4-2-3-1にシフトしたが、L・アドリアーノが不慣れなトップ下で右往左往するなど、ほとんど効果がなかった。(C)サッカーダイジェスト

 10月4日のセリエA7節、ミランは本拠地サン・シーロにナポリを迎えた。
 
 ミランは0-1で敗れた前節のジェノア戦でレッドカードを食らって出場停止のロマニョーリに代わるCBにR・エリー、左SBとインサイドハーフに故障明けのアントネッリとクツカが復帰し、鼠蹊部の筋肉を傷めたバロテッリが招集外となった前線はバッカとL・アドリアーノが先発。インフルエンザによって3日間発熱していた本田は招集されたもののベンチスタートとなり、トップ下には2試合連続でボナベントゥーラが入った。
 
 前節にユベントスを2-1で下すなど、ELを含めて9月以降は無敗(4勝2分け)と波に乗るナポリは、開幕当初に結果が出なかった4-3-1-2ではなく、3節から使う4-3-3で臨んできた。
 
 11分にクツカがファーストシュートを放つなど試合を優位に進めていたミランだが、直後に自滅から失点。13分、サパタのありえないパスミスをハムシクに拾われ、L・インシーニェのラストパスを後方から走り込んだアランに右足で流し込まれたのだ。
 
 最悪の形で先制点を奪われたミランは、これで雰囲気が一気に淀む。前半はまずまずパスを繋いだものの、全体的にオフ・ザ・ボールの動きが少なく、枠内シュートが0本という数字が示す通り決定機に繋げられず。逆にカウンターから何度も危ないシーンを作られた。
 
 後半開始早々の48分には、追加点を食らう。パスワークで簡単に2ライン(DFとMF)間にスペースを作られ、L・インシーニェがフリーに。そこからイグアインとのワンツーで最終ラインの裏に抜け出した小柄なファンタジスタに、右足でネットを揺らされた。
 
 57分、ミランはベルトラッチに代えてチェルチを投入。システムを4-3-1-2から4-2-3-1に変更した。これによってやや攻撃のリズムが出たが、68分には決定的な3失点目。ペナルティーエリア手前からの直接FKを、L・インシーニェに決められた。さらに、77分には左サイドからのグラムのクロスが、滑り込んだR・エリーの足に当たってオウンゴールを献上。このまま大した反撃もできぬまま、0-4の大敗を喫した。

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