「外れるのは分かる」平均採点がチームトップの田中碧、2戦連続先発落ちの現状に何を思う? 「一番よくないのが…」【現地発】

2022年09月08日 中野吉之伴

スパルタから元オランダ代表ヘンドリクスを補強

ドイツ2部でプレーする田中。直近2試合は先発を外れている。(C)Getty Images

 6節終了時で4位ハイデンハイムと5位デュッセルドルフという上位対決(●1―2)で、田中碧の名前がスタメンになかった。前節レーゲンスブルク戦に続いて連続でのベンチスタートだ。

 開幕から連勝スタートでシーズンインしたデュッセルドルフだが、その後は2分1敗。チームへのテコ入れの必要性を感じたダニエル・ティヌーウ監督は6節レーゲンスブルク戦で田中、アペルカンプ真大、ルーベン・ヘニングスらをスタメンから外す決断をすると、代わりに起用された選手の活躍もあり、この試合を4―0でモノにする。

 チームの安定感に手応えを持ったティヌーウ監督は、このハイデンハイム戦も同じメンバーで臨んだ。なるほど、安定感はあるかもしれない。確かにビックチャンスはそこまで多く作られてはいない。この日の失点はセットプレーからのオウンゴールと、一度だけ左サイドを崩されたシーンからこぼれ球を押し込まれてのもの。

 ドイツ人指揮官も「結果には満足いっていないが、パフォーマンスには満足」と試合後の記者会見でコメントを残している。アウェーではなかなか勝てていないこともあり、引き分けでも十分価値のあるものだったはずだ。
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 この2試合、ティウーヌ監督はボランチの位置で、マルセル・ソボツカと8月にスパルタ・モスクワから補強した元オランダ代表ジョリット・ヘンドリクスを組ませている。ヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグ経験も豊富なヘンドリクスに対する期待は大きく、できるだけ出場機会を与えて、いち早くチームに順応してほしいという首脳陣の意向が窺える。

 しかし、パフォーマンスはまだまだ十分と言えるものではない。この試合でもピンチに結びつきそうなコントロールミスやパスミスもちらほら見られた。

 セットプレーからのオウンゴールで相手に先制を許したこともあり、後半開始からティヌーウ監督は田中を投入。中盤のバランスが改善され、ビルドアップからのボールの流れはよくなり、スペースを作りながらペナルティエリア付近まで迫るシーンは増えた。セットプレーから同点に追い付いた後は、かなり押し気味に試合を進めることもできた。

 このまま引き分けかと思われた87分、左サイドを崩されるとゴール前の混戦から勝ち越しゴールを許してしまったのは残念だが、チームに必要な存在だというのを改めて示せたのではないだろうか。
 

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