【北九州】J1規格の球技専用スタジアムの完成まで約1年。“駅チカ・海チカ”の新スタが熱狂する日まで、「小倉移転」に向けて誘客

2015年10月04日 上田真之介

「小倉移転」が迫るなかで、小倉エリアでチームの存在をアピール。

2017年に供用開始予定の「北九州スタジアム」(仮称)の工事が着々と進行。新スタジアムの模型も公開されている。(C)Shinnosuke UEDA

 
 2017年に供用開始予定の「北九州スタジアム」(仮称)の工事が進んでいる。1万5000席の座席を備え、ギラヴァンツ北九州(以下、北九州)としても、市としても、悲願のJ1規格の球技専用スタジアム。完成まで約1年となった。
 
 スタジアムができるのは、北九州市小倉北区浅野。現在の本城陸上競技場とは直線距離で10キロ以上も離れている。本城の場合、近郊の八幡西区や若松区からの来場が多く、「大票田」とも言える市中心部の小倉北区や、人口22万人を抱える小倉南区からはなかなか足を運んでもらっていない。
 
「小倉移転」が迫ってくるなかで、小倉エリアの人たちをどう惹きつけるかは、実は永遠の課題でもある。(と同時に、市内7区のうち最大規模の八幡西区からお客さんを呼び込み続ける必要もある)
 
 すべてが小倉移転だけを睨んだわけではないが、今年、小倉でいくつかの大きなイベントが行なわれた。
 
 ひとつは、小倉北区で開催されている「わっしょい百万夏まつり」への選手の参加だ。この祭りとは、毎年ユニホームでコラボしているが、祭り自体は土日に開催されて試合と重なるため、選手が参加することはほとんどなかった。
 
 しかし今年は、運良く該当節のゲーム(8月2日)が土曜開催で、練習試合やリカバリーに充てる日曜日(8月3日)のスケジュールを上手く調整することで、日曜日ならば参加が可能となった。こうして市内最大の祭りに全選手とコーチングスタッフ、さらにボランティアや選手バスも集結。約1キロにわたってパレードし、沿道に手を振って北九州の試合来場をPRした。
 
 そうした理由から、選手が祭りに参加したのは、11年に木村祐志(徳島)や池元友樹(松本)らがスピーチに立って以来。全員が顔を揃えたのは初めてで、チーム最古参の多田高行にとっても祭り初参加となった。柱谷幸一監督は「選手全員が参加すれば話題にもなるし、ニュースとしても取り上げてもらえる」と、手応えの参戦だった。
 

次ページおぼろげながら徐々に見えてきた「小倉移転」後の青写真。

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