「右も左も関係ない」開幕7連勝のアントワープで輝く、25歳のレフティ三好康児。今季初ゴールの後、交代が告げられると観衆は…【現地発】

2022年09月05日 中田徹

「ゴールがずっと欲しかった。毎試合、そこを求めていた」

アントワープ在籍4年目を迎えた三好。今季は1試合を除き、開幕から全試合にスタメン出場している。(C)Getty Images

 アントワープがウェステルロー相手に3―0とリードを広げた直後の84分、この日、2得点に絡む大活躍だった三好康児の交代が告げられると、観衆はスタンディングオベーションしながら「ミヨシ!ミヨシ!ミヨシ!」と連呼し続けた。

「本当にいい雰囲気です。嬉しいですね」

 今季初となる三好のゴールは50分に生まれた。ビンセント・ヤンセンが粘り強く起点を作り、アルハッサン・ユスフがミドルパスで攻撃のスイッチを入れ、右サイドをカルビン・ステングスとユルゲン・エッケレンカンプが崩し、最後はファーサイドで日本代表MFがフリーになってシュートを決めた。これでアントワープは2―0とした。

【動画】ずっと欲しかった!絶好調アントワープを引っ張る三好、待望の今季初ゴールをチェック!

「ゴールがずっと欲しかった。毎試合、そこ(ゴール)を求めていました。ホント、簡単なゴールでしたけれど、1点獲れたというのは自分にとっても大きいですし、追加点ということでチームにとっても大きい1点になった。すごく良かったです」

 82分、チームの3点目となるアンソニー・バレンシアのゴールでも、起点として重要な役割を果たす。ラジャ・ナインゴランが左へ大きく振ったパスは、ライン際へ遠ざかるように三好のところへ。この難しい浮き玉のボールを、苦もなく2度のトラップでコントロールしてからヤンセンにスルーパス。DFと絡み合ったボールが、バレンシアのところへこぼれてヘッドで押し込んだ。
 
「いいボールが左足の方に来た。自分の得意なほうの足ですし、トラップには自信を持っているので、そこをうまくできてよかったです」

 三好にとっては「いいボール」でも、やはり難しい浮き球を難なく処理したからこそ、トラップした瞬間、スタジアムは「素晴らしいプレーを見た」という歓声で沸いたのだ。

 攻守におけるアクションの継続が光った一戦でもあった。例えば、三好が楔のパスを通したものの、ヤンセンがボールを収めきれずロストしたシーンでは、左サイドから中央に走り込んで、こぼれ球を拾ってドリブルでアクションを継続した。

「そこは意識している部分でもあります。チームとしても、特にボールを失った後は前線からプレスをかけることで、やっぱり守備が楽になりますし、自分たちも戻る距離が短く済みますので。これは意識のちょっとしたところですが、今年、特に力を入れているところです」

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