「死ぬほどプレーしたかった。だけど…」6月に無念の代表離脱をしたAZ菅原由勢、膝の手術から鮮烈な復帰!「人生で一番難しい時期だった」【現地発】

2022年09月03日 中田徹

「自分でも本当に手術が必要なのかどうかと考えていた」

復帰戦で出場から2分でアシストをマークした菅原。写真:REX/アフロ

 今年の6月、膝の手術をしたAZの菅原由勢は、8月18日のジウ・ビセンテ戦(欧州カンファレンスリーグ・プレーオフ第1レグ)で実戦復帰。87分にピッチに入るとその2分後にはクロスからアシストを記録した。

 9月1日のオランダリーグ、対NEC戦(1-1)では、右SBとして79分から登場。最初のプレーで、対峙したマーカーを強気のドリブルでかわし、敵のDFとGKの間に生まれた狭いスペースに鋭いクロスを入れた。

「あのプレーを見てもらったら、怪我をしていた感じがないと思います。復帰戦では最初の2分ぐらいでアシストしましたし。目先に9月の代表、それからワールドカップがあるということもあって、ゆっくりしてられない。やれることを毎日クリアしていくだけです」

 昨シーズンは序盤でつまずいたAZだったが、今季は開幕から3勝1分けと好調だ。けが人は多いが、アカデミー出身の若手や補強した選手が期待以上の働きでカバーし、その結果、層が厚くなるという好循環が早くも生まれている。

 チームとしては、セントラルMFのヨルディ・クラシ―、タイヤニ・ラインデルスを軸に、頻繁にポジションチェンジを繰り返してコンビネーションで好機を探ったり、裏抜けした味方にロングパスを通したりするなど、ムービングフットボールを披露している。

「(チームとして)わりと形がないというか。僕が中に入ってボールを受けてもいいし、張ってもいいしということで、自由の中に連動性があるというのは、今シーズンやっていて感じています」

【動画】ワンツーからグラウンダーの鋭いクロス!菅原が復帰戦でマークした秀逸アシスト
 菅原は4月、昨シーズン31節のスパルタ戦(1-1)で敵に蹴られて膝を負傷した。その後、アヤックス戦(2-2)、ユトレヒト戦(2-2)にフル出場したものの、最終節のRKC戦(1-3)で21-22シーズンの全試合出場記録が途絶えた。その後のプレーオフでは4試合中3試合出場。全て途中からの出場だった。

「ユトレヒト戦では正直、試合中に『(痛みで)これはヤバい』と思いましたが、他の人が見ていても普通にプレーできていたと思うし、自分でも本当に手術が必要なのかどうかと考えていた。クラブからも『プレーオフにも出てほしい』と言われていたし、俺もプレーしようと思った」

 膝の件については、毎日のようにAZと話し合いを重ねていたのだという。

「オランダで診断を受けたときに『手術が絶対に必要』と言われていた。それでも、僕がこのクラブに対して全身全霊をかけて闘っている以上、俺は最後までやりたいという話をしていた」

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