ラポルタ会長がほのめかす“バルサ復帰”をメッシは無視。古巣帰還の火種となるレバンドフスキの存在【現地発】

2022年09月03日 エル・パイス紙

パリSGとの現行契約は23年6月まで

昨夏のバルサ退団時には涙を流したメッシ。(C) Getty Images

 今夏、バルセロニスタの間でリオネル・メッシが再び話題の中心になった。1年前の電撃退団は今なお尾を引いているが、ジョアン・ラポルタ会長はある時は上機嫌に、ある時は慎重に復帰の可能性をほのめかし待望論を高めていった。しかし当のメッシは少なくとも公の場では、無視を決め込んでいる。

 一方のシャビ監督は「契約が残っている。今年中に復帰すると考えるのは夢物語だ。もちろん私も彼のバルサにおける滞在がまだ終わっていないことを願う」とラポルタが作り出した迷宮に閉じ込められながらも、一般論でかわした。

 メッシとパリ・サンジェルマンとの現行契約は23年6月まで。パルク・デ・プランスから脱出することがいかに困難であるかは、幾度かラ・リーガへの復帰が未遂に終わったネイマールのケースを見ても明らかだ。

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 もっとも、メッシがこうして沈黙を貫くことは今に始まったことではない。「レオとは今も友情で結ばれている」。シャビがこう胸を張るように、2015年に指揮官がバルサを退団した後も両者の関係は続いている。

 たとえばメッシが昨年の8月8日に退団記者会見で、「クラブは分からないけど、僕は残るためにできる限りのことをした」と涙を流しながら語った時も、シャビはバカンスを中断し、その場に居合わせていた。その2日前、ラポルタはやはりカンプ・ノウのアウディトリ1899で行われた記者会見で、当初の約束通りに再契約に至らなかった理由をこう説明していた。

「我々の前に立ちはだかったのがファイナンシャル・フェアプレーだ。テレビ放映権50年分を抵当に入れるわけにはいかなかった。クラブを超える選手は存在しない。それが歴代最高の選手であったとしても、だ」

 しかしながら、今夏にバルサはそのまさにファイナンシャル・フェアプレーが定める基準をクリアし、財政を立て直すために25年間にわたるテレビ放映権25%を売却した。その資金を元手に、フランク・ケシエ、アンドレアス・クリステンセン、ラフィーニャ、ジュル・クンデ、ロベルト・レバンドフスキらを獲得したのは周知の通りだ。
 

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