業務提携を結ぶSTVVへ短期留学。大分アカデミーの選手が語る日本とベルギーの違い「ちょっとビックリしました」【現地発】

2022年08月30日 中田徹

2018年2月に業務提携を結ぶ

STVVに所属する(後列左から2人目より)林大地、香川真司、橋岡大樹らと記念撮影をする大分アカデミーの選手たち。(C)STVV

 シント=トロイデン(STVV)と大分トリニータが、両クラブの発展と人材育成を主目的とした業務提携を結んだことを発表したのは2018年2月のこと。その縁で、大分トリニータ・アカデミー部門の選手やスタッフは18年、19年とSTVVで短期留学を実施。コロナの影響で一時中断されたが、今年の8月、久しぶりに留学が復活した。

 今回、留学に参加した選手はU-15から奈須心勇、高橋七智、U-18から小野俊輔、松岡颯人の計4名。彼らは7月29日に現地に着くと、その3時間後からさっそく練習を開始した。それから約2週間に渡ってトレーニング、練習試合で汗を流し、ベルギーリーグを観戦した。

 私が彼らの元を訪れたのは留学序盤の8月2日だった。奈須と高橋がピッチで練習する傍ら、クラブ内のカフェで小野と松岡の2人に話を伺った。最初はU-18 STVVに参加し、それからU-21 STVVに合流したという。

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 松岡「楽しいですね。言葉は通じないけれど、『ここに出せ!』とか、ジェスチャーが意外と通じたので、そういうところが楽しいです」

 小野「『シュート!』『パス!』とか単語を言ったら通じたので、ジェスチャーを交えてコミュニケーションをとっています」

 2人はU-18 STVV対U-19ティーネンの練習試合に30分ずつ出場した。

 松岡「僕が入れたクロスを味方が空振りして、他の選手がゴールを決めました。自分のアシストかな?(笑)。ボランチとして起点になれましたし、守備でも結構、ボールを奪えることができました。(STVVの選手は)練習ではあまり本気を出さないけれど、試合だとガツガツ行く。日本では『練習は試合に出る』と言われているので、ちょっとビックリしました。自分はそれに流されず、練習から本気でやっています」

 小野「自分はセンターバックで出ました。相手フォワードの体格が大きく、背負われたら強かったので、そこは工夫してトラップが伸びたところで奪うことができたので良かったです。ただ、ビルドアップのやり方が大分とぜんぜん違った。U- 18大分だと『ここに味方が顔を出してくれるだろう』という連係があるが、STVVは『個』の方がやっぱり強い。シンプルに回すことはできましたが、もっとこう動いてほしいというのを自分が伝えていかないといけない」

 2人に、今回の留学のテーマを教えてもらった。

 松岡「言葉が通じない部分があるので、そこは自分から積極的にコミュニケーションをとって活躍したい。チームに馴染んで、試合で活躍したい」

 小野「自分はSTVVに『小野俊輔はすごかったな』というのを残したいです」
 

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