SBSカップで猛アピールの鳥栖U-18坂井駿也。一歩先行く仲間に刺激を受け、次のステージを見据えて戦い続ける

2022年08月30日 松尾祐希

最終戦では本職ではない右SBでプレー

中学年代から将来を嘱望されてきた坂井。ゲームメイクに優れ、サッカーIQの高さにも定評がある。写真:松尾祐希

 80分で勝利を挙げれば優勝、だった。

 3年ぶりに開催されたSBSカップ国際ユースサッカーに臨んだU-18日本代表は、8月28日の最終戦でU-18ウズベキスタン代表にPK負け(80分を終えて1-1)を喫して3位で大会を終えた。

 絶対に勝たなければならない――。そうした状況下で迎えた大一番で、日本は先制点を守り切れず、後半20分にFWイスラモフ・リアンに同点ゴールを献上。勝ち越しを目ざし、終盤はパワープレーに転じたが、最後までゴールをこじ開けることはできなかった。

 試合終了後、項垂れる選手たち。優勝はもちろん、9月上旬には、来年3月に開催される U-20アジアカップ(U-20ワールドカップの最終予選を兼ねる)の予選に臨むU-19代表入りを目ざして誰もが最後までアピールを目論んでいた。

 だからこそ、落胆の色が濃くなったのは確かだろう。しかし、少なからず印象を残した選手もいた。現時点でのU-19代表入りは難しいが、本大会までにメンバー争いに食い込んでくる可能性を示した1人が、鳥栖U-18でプレーするMF坂井駿也だ。

 初戦こそ途中出場だったが、残りの2試合は先発でフル出場。U-18ウズベキスタン代表戦では、本職のインサイドハーフやアンカーではなく、右SBのポジションでプレーし、前半17分には中央に入り込んで先制ゴールを決めた。その出来に自身も手応えを掴んでいる。
 
「トップチームでもよくやっている(ポジション)。後ろの選手でもゴール前まで行くのは、トップチームに練習参加するなかでも求められているので、ゴールシーンはそこが出たと思う。中に入ってゴールまで決められたので良かった」

 ゴール以外でも中央に入ってゲームを組み立てるプレーや、正確なロングキックで相手の背後にフィードを蹴り込むなど、他の選手にはない特長を見せつけて存在感を発揮した。

 しかし、その一方で課題もある。久々の国際試合で海外勢の勢いやフィジカルに屈し、競り負ける場面もあった。「最後のところで身体を張る部分や、海外の選手は(チャンスを)決めてくるというのは今日の試合で学んだ」と振り返った通り、U-19代表入りを目ざすのであれば改善すべきポイントだろう。
 

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