【第2ステージ・ラスト5のシナリオ】横浜編|望み薄だとしても、「勝点15」を上積みして天命を待つ

2015年09月30日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

“他力本願”であることに変わりはないが…。

攻守の要である中村(10番)と中澤(22番)。ふたりの存在は最大の強みといっても過言ではない。大黒柱である彼らのさらなる奮起で“奇跡”を起こしたい。写真:田中研治

 J1リーグ第2ステージも残すところ、あと5節。ステージ優勝争いはもとより、年間勝点に左右されるプレーオフ進出・残留争いも注目されるところだ。シーズンもクライマックスを迎え、各チームはラスト5試合をいかに戦うのか。担当記者がポイントごとに探る。
 
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ポイント1)現時点の目標と、目標到達に必要な勝点は?
ステージ優勝 & 年間順位3位以内/勝点15(5勝0分0敗ペース)
 
 目標はふたつ設定したが、残り5試合で全勝しマックスの勝点15を上積みできたとしても、上位陣との勝点差を考えれば、どちらとも望むべき結果を手にする可能性は極めて低い。現状は4連勝を含む7試合連続負けなし(5勝2分)と、チーム状態は決して悪くない。今後もさらに白星を重ねてもおかしくはないが、ただ"他力本願"の状況にあることには変わりない。
 
ポイント2)ラスト5試合に向けて現状の強み、好材料は?
 
 伝統の堅守は今季も健在。29試合を終えた時点での総失点28は、広島、G大阪と並び、リーグで2番目に少ない数字だ。中澤を中心とした最終ラインが揺るぎない盤石さを保つ一方、攻撃面では、定位置のトップ下でタクトを振るう中村の出来が鍵を握る。高精度の左足のキックを駆使した直接FKやCKといったセットプレーでの得点力を高めつつ、アデミウソンや齋藤ら前線の選手たちとの連動した崩しにさらに磨きをかけて"奇跡"を起こしたい。
 
ポイント3)累積警告や怪我人などの懸念材料は?
 
 主力ではCFのラフィーニャとボランチの中町が怪我のため戦列を離れている。ともに重傷ではないにせよ、復帰できてもコンディションを万全に戻すには時間がかかるだけに、彼らふたりに大きな期待をかけるのは得策ではない。
 
 それよりも懸念されるのが、2列目左サイドのレギュラーである齋藤が現在、警告2枚でリーチ(※1ステージ警告3枚で出場停止)の状態にあること。右足首を痛めている点も気がかりだが、累積にせよ、怪我にせよ、独力で局面を打開できるこのアタッカーを欠くようだと、前線のスケールダウンは免れないだろう。

次ページ“全勝”がノルマである以上、ひとつの負けも許されない。

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