明治大の注目ルーキー、“トルメンタの人”林晴己がデビュー弾!「『あの時の高川学園の10番だ』と思われたい」

2022年08月25日 安藤隆人

ボランチの才能を見出されてコンバート

関東学院大戦でトップデビューを飾った林。先制点の起点となり、自身も1得点。2-0の勝利に大きく貢献した。写真:安藤隆人

 昨年度の第100回全国高校サッカー選手権大会において大旋風を巻き起こし、ベスト4に勝ち上がった高川学園。

 セットプレーの際にゴール前で数人が手を繋いで渦を巻くように回転し、ボールが蹴り込まれると輪が解けて一斉にゴール前に飛び込んでゴールを陥れる。

『トルメンタ』と名付けられたこのセットプレー戦術は日本を飛び越え、世界中で話題となったことは記憶に新しいだろう。

「あのゴールがまさか世界中で話題になるとは思わなかったし、実際に話題になっていることを周りから聞いて『あれでなるの?』と驚きました。今も多くの人に『トルメンタの人』と言われます(笑)」

 こう語るのは当時の高川学園の10番を背負い、トルメンタ全国初披露(1回戦の星稜戦)でゴールを決めた張本人であるFW林晴己だ。この話を聞いたのは、宮城県で行なわれた総理大臣杯2回戦・明治大vs.関東学院大の後だ。

 高川学園を卒業し、全国屈指の強豪である明治大に進んだ林は、この試合でトップチーム初出場をスタメンで飾り、先制点の起点となり、デビュー弾となる1ゴールと、2-0の勝利の立役者となっていた。

「夏までにはトップデビューしたいと思っていた」

 トルメンタの中心にいた林は、明治大入学当初は周りのレベルの高さに圧倒された。

「僕の課題は守備。明治は守備をきちんとやらないと試合には絡めないと分かっていたので、その課題に向き合いました」
 
 強度の高い守備をこなしながら、いかに自分の持ち味であるドリブルとパスセンス、シュート力につなげられるかを考えて毎日を過ごした。

 守備力が磨かれていくなかで、インディペンデンスリーグでは4ゴールを重ね、労を惜しまぬハードワークを繰り返したことで栗田大輔監督をはじめ、首脳陣の目に留まるようになった。

 さらにトップ下とサイドハーフを主戦場としていた林はボランチとしての才能を見出されてコンバートされると、関東学院大戦の2週間前にトップチームに引き上げられた。

「ボランチはこれまでやったことがなかったのですが、栗田監督が『自分を表現しろ』と言い続けてくれたり、先輩たちがアドバイスをしてくださったので、徐々に感覚を掴めました。周りの先輩がやりやすい状況を作ってくれたので本当に感謝しています」
 

次ページ冷静な判断力と高い技術が凝縮されたデビュー弾

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