充実の日々を送る鹿島CB関川郁万。“初めての経験”で掴んだ手応え。「タイトルを取れればもっともっと成長する」

2022年08月23日 松尾祐希

昨季は13試合止まり。今季はすでに24試合

確かな成長を実感している関川。課題と向き合い、改善できるのも試合に出続けているからこそ。(C)SOCCER DIGEST

 野心に溢れた眼と闘争心に満ちた表情は昔と何も変わらない。9月には22歳を迎える鹿島のCB関川郁万が充実したシーズンを送っている。

 8月21日に行なわれたJ1第26節の湘南ベルマーレ対鹿島アントラーズの一戦。上位に位置する鹿島は岩政大樹体制となって2試合目で、優勝争いに踏み止まるためには前節に続いて勝利が必要な試合だった。しかし、1-0で迎えた74分にCKから瀬川祐輔に同点ゴールを献上。1-1で勝点1を分け合う結果となった。

 最終ラインを束ねる者としては、リードを守れなかったのは痛恨の極みだろう。CBのポジションでフル出場を果たした関川は試合後、悔しさを言葉に込めながら湘南戦を振り返った。

「セカンドボールを拾う回数が少なかったので、押し込みに行く場面やそういった時間帯に自分たちの流れで行けなかった。(得点も)自分たちの力ではなく、相手のミスでのチャンスでしたし。ミスを突けたのはいいけど、もっと意図したボールの運び方をしないといけない。大樹さんからも提示はありましたけど、もっとやっている選手が試合の流れを見てやっていかないといけないと感じます」

 個人としては、高校時代から武器とする競り合いの強さを示した一方で、ビルドアップやフィードでは課題を残す内容だった。鋭い縦パスを入れる機会は限られており、攻撃の出発点としては改善すべき余地が少なくなかった。
 
 だが、そうした課題を感じられるのも試合に出続けているからこそ。昨季は13試合しかリーグ戦に出場できなかったが、今季はここまでリーグ戦26試合中24試合に出場し、そのほとんどがスタートからの起用となっている。

 試合を重ねるごとに成長の跡を示している。「初めての経験なので難しさは感じます。身体の疲れもそうですし、今年は特に過密日程になっているので、キツさもあって、違う大会もあって、非常にタフ」と言いながらも、大きな手応えも掴んでいる。

「今季はシーズンを通じて試合に出られていて、自分にとって悪いプレーもありながら、成長できている実感は少なからずある」
 

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