【鹿島インタビュー】攻撃のキーマン・土居聖真が語るタイトル獲得への青写真。「守備を良くして完璧を追求したい」

2015年09月25日 五十嵐創(サッカーダイジェスト)

「相手GKがボールを持っている時から守備が始まっている」

「チームとして充実感を持って守備ができています」。土居は好調の要因に、守備面の安定を挙げた。写真:徳原隆元

 直近のリーグ戦8試合で7勝1敗と破竹の勢いで勝点を積み重ね、第2ステージ2位と好位置につけている鹿島。ステージ制覇はもちろん、その先のチャンピオンシップや、ナビスコカップ、天皇杯での優勝も視野に入っている。狙うは2000年以来の3冠――。大きな野望を抱く常勝軍団のキーマンを直撃し、その意気込みを訊いた。
 
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――石井監督の就任以降、チームは連勝街道を走っています。
 
「状態はホントに良いですね。ただ、連勝しているチームは"勢い"があると言われるけど、うちの場合はそれだけではない。やるべきことをやったからこそ、結果が付いてきたんだと思っています」
 
――勝つべくして勝っている、と?
 
「内容が悪くてもセットプレーで1-0で終えたり、ゲームを上手くコントロールして勝つのが鹿島のサッカー。それを先発の11人だけでなく、サブやベンチ外も含めた全員が意識できています。
 
 もちろん、攻め込まれたり、ボールが上手く運べない時間帯もありますが、どんな時でも一人ひとりがやるべきことを分かっていて、状況に応じたプレーができている。そこは石井監督になって細かい指示も出ているし、チームとして強調された部分ですね」
 
――「細かい」を具体的に言うと?
 
「例えば、単に『守備をしっかりやろう』ではなく、どこでボールを奪うのか、そのためにどうやって前から守備をするかが、練習から明確になりました。

 そのおかげで(西)大伍くんなんて『守備が楽しい』と言っていますから。元々、大伍くんは前目の選手だから、やっぱり守備よりも攻撃が好き。そんな選手が『守備を楽しい』と感じるなんて、そうあることじゃないですよ」
 
――チームとして機能しているから「楽しい」のでしょうね。土居選手の前からのプレスも効いていますし。
 
「(トニーニョ・)セレーゾ前監督の時も、それぞれやっているつもりでしたが、チームとして見ると甘かった。奪いどころがハッキリしていなかったんです。

 今はチームとしてどこでボールを取るかが明確なので、自分の仕事が分かりやすくなった。だから、後ろでボールが取れると、手助けできた感覚があるし、チームとして充実感を持って守備ができています」
 
――大雑把だった指示が細かくなって、選手も動きやすくなったと?
 
「話す機会も多くなりましたし、気持ちが切り替わったのも大きかったかな。監督交代は自分たちにも責任があるので、あのタイミングで『このままじゃダメだ』『なにかを変えなきゃいけない』と悪いところを見つめ直せました」
 
――前線からの守備が整理されて、ボールを奪う位置が高くなった感触はありますか?
 

「めちゃくちゃあります。相手GKがボールを持っている時から守備が始まっている感覚で、奪いに行くところ、遅らせるところ、ミスを誘うところと、状況に応じた守備もできています」

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