ネイマールがピリつく…主将の腕を振り払いPK練習を「強行」した理由は?

2022年07月25日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

トレーニングが終了した直後だった

マルキーニョスを振り切ってPK練習をしようとするネイマール。(C)サッカーダイジェスト

 イライラの証か、それとも意気込みの表われか……。どっちとも取れる言動を見せたのが、パリ・サンジェルマンのネイマールだ。
 
 来日中のパリ・サンジェルマンは7月24日、パナソニックスタジアム吹田で公開トレーニングを実施。25日のガンバ大阪戦に向けて調整した。練習ながらチケットが販売され(高校生以下が2000円、大人が4500円)、1万7916人の観衆が集結し、ネイマールも相変わらずの大声援を浴びていた。
 
 ただ、パリSGは17日の来日からトレーニング、イベント、取材、そして試合が目白押しという超過密日程。選手たちはさすがにややお疲れムードで、練習時間が予定の120分から65分ほどに短縮されたほどだった。
 
 そんなトレーニングが終了した直後だった。ネイマールはコーチにボールを要求。ペナルティースポットに置き、PK練習をする姿勢に入った。
 
 疲れが溜まっているからこそのトレーニング短縮だっただけに、主将のマルキーニョスに早く引き上げるように促されたが、ネイマールは渋い表情であからさまに拒否。何やら言葉を交わしながら最後は腕を振り払って、PK練習を強行した。
 
 セルヒオ・ラモスやプレスネル・キンペンベも混じったPK対決は、ジャンルイジ・ドンナルンマが相手。ネイマールはPKストッパーとしても知られるイタリア代表GKに1本止められたが、2本を成功させ、満足そうに引き上げていった。
 
 ネイマールは今回のジャパンツアーでここまで、ゴールもアシストもゼロ。前半のみの出場だった川崎フロンターレ戦(20日)は精彩を欠き、59分から途中出場した浦和レッズ戦(23日)では3点目の起点となったものの、本来の実力を考えれば物足りなさは否めない。
 
 一方でともに世界に名だたる「MNMトリオ」を形成するリオネル・メッシとキリアン・エムバペは、前者が川崎戦、後者が浦和戦でゴールを決めてスポットライトを浴びた。プライドの高いネイマールが、この点を気にしていても不思議はない。
 
 しかも今夏は、再び去就に関する報道が絶えない。浦和戦には報道陣にその話を振られ、「僕はパリ・サンジェルマンに残りたい。今のところクラブは何も言ってこないし、彼らが僕についてどんなプランを持っているのかは分からない」と火消しを強いられた。ネイマール級のスーパースターになれば移籍の噂は年がら年中に湧き出てくるもので、慣れたものではあるだろうが、ストレスになっている可能性はゼロではない。
 
 マルキーニョスの制止を振り切っての「PK練習強行」は、単にワガママだからなのか、様々な理由でイライラしていたからなのか、それともゴールが欲しいガンバ大阪戦に向けた意気込みなのか。はたまた、それら全てが複雑に絡み合った結果かもしれない。
 
 そんなネイマールはガンバ大阪とのジャパンツアー最終戦で、どんなプレーを見せるのか。注目したい。
 
取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
【関連動画】ネイマールがPK練習を強行!パリSGの公開トレーニング
 

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