大迫・原口・柴崎の成功ロードを歩むのは誰だ? 東京五輪“落選組”の奮起に期待

2022年07月22日 元川悦子

「3年前のE-1の時より意識している」

19年のE-1にも出場している森島。クラブでは今季、スキッベ監督のもとでさらに逞しくなった印象だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 E-1選手権の初戦、7月19日の香港戦は6-0で大勝し、9年ぶりの大会制覇に向けて力強い一歩を踏み出した日本代表。しかし、会場となったカシマサッカースタジアムで観客5000人割れという厳しい現状にも直面した。

 人気回復・観客増につなげるためにも、24日の中国戦ではより躍動感あふれるサッカーを示し、人々を魅了する必要がある。4か月後に迫るカタール・ワールドカップ(W杯)出場への生き残りも視野に入れ、国内組の面々には強烈なアピールが求められる。

 特に注目されるのが、東京五輪世代だ。昨夏の本大会に参戦しながらA代表に定着できていない相馬勇紀(名古屋)、大迫敬介(広島)、谷晃生(湘南)らはもちろんのこと、何度か候補合宿に呼ばれながら落選の憂き目に遭った岩田智輝(横浜)、森島司(広島)、杉岡大暉(湘南)、大南拓磨(柏)らはE-1で存在感を示さなければ、先がない。

 五輪落選組と言えば、2012年ロンドン大会に出場できなかったものの、2013年E-1で代表定着の布石を打ち、2014ブラジルW杯につなげた大迫勇也(神戸)、2018年ロシアW杯ではその大迫とともにチームを引っ張った原口元気(ウニオン・ベルリン)のような例もある。ロシアW杯で主軸だった柴崎岳(レガネス)にしても、同じくロンドン五輪を逃した選手。悔しさをバネに浮上した彼らのような存在が出てきてこそ、日本代表の底上げが叶うのだ。

 2019年韓国大会にも参戦し、0-1で苦杯を喫した韓国戦にスタメン出場した森島は、その筆頭だろう。

「技術、フィジカル、スピード面で結構行かれてたんで、立ち上がりは慣れるまで大変だった。カウンターでもピンチがありましたけど、もうちょっとできることがあったんじゃないかなと思います」と釜山で悔恨の念を口にしたことを、本人も忘れてはいないはずだ。
 
 翌年の2020年から広島で背番号10を背負い、コンスタントに出場しているものの、そこまで目立った数字を残せず、後から台頭してきた三笘薫(ブライトン)や前田大然(セルティック)らに先を越される格好となった。

 だが、ドイツ代表やギリシャ代表に携わったミヒャエル・スキッベ監督が就任した今季は、ゴールへの推進力が高まり、守備面の強度や粘り強さが格段に増した印象だ。

「スキッベ監督からはクロスの入り方を言われているし、そこはプロになって一番変わったところ。ゴール前に入っていくところは3年前のE-1の時より意識していると思います。前向きな守備もすごく求められている。空いているところに戻るとか、二度追いは絶対に必要。そうやってチームを助けたい」

 森島は成長した姿を押し出し、4か月後のカタール、その後の代表も視野に入れて、アグレッシブに突き進むつもりだ。
 

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