【三浦泰年の情熱地泰】香港相手では測れない本当の力。日本代表は虎なのか? 猫なのか?

2022年07月21日 三浦泰年

香港相手に犯したミスは、強豪相手には致命傷になる

香港戦で6-0と大勝を収めた日本だが、強豪相手には命取りになるミスも目立った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 東アジアE-1サッカー選手権をTVで観戦した。日本代表は、香港に6-0で勝利した。

 この試合で、天皇杯2回戦で鈴鹿ポイントゲッターズが0-3で敗れた横浜F・マリノスから西村、水沼、宮市、岩田、畠中と、出場していた選手たちがプレーしていた。

 そして今シーズン首位を走り良いシーズンを戦っているリーグを代表するクラブから、中盤の藤田も含めて多くの選手が選ばれ活躍しているのは良いことである。

 パリ・オリンピック世代だとかではなく、今必要とする選手はいたのであろうか?

 そんな視点で見た時に、少し物足りなさを感じたのではないだろうか。

 バスは上手い、ボールは支配している。得点も6点入った。良いプレーも多かった。言ってみれば「褒め(誉めて)て伸ばす」という言葉が好きな日本人にはもってこいのゲーム。そして良いプレーの数で評価するという意味では、良いところがたくさん出た。

 しかし、そんな試合において、あまりにミスが多かった。どこを狙った? なぜそんなミスをした? 何回ミスをした? 何回判断を誤った?

 センスのないプレー。基本のミス。ネガティブなプレー……。
 そうしたプレーをチェックした方が、ワールドカップへ向けて必要な選手なのかどうかが見えて来るのではないだろうか?

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 せっかく見えた良い部分も、この香港相手の緩いアプローチ、低いインテンシティー(強度)では、強豪相手に通用するのかは分からない。

 しかし逆に、この相手に犯したミスは、強豪相手には致命傷なのである。

 厳しい目線で見ればそういう事になる。
 
 西村、町野、相馬が2得点ずつを決めたが、この得点は海外組、レギュラー組がいないなか、初招集の選手が多く、直接的に活躍してもワールドカップのメンバーへ、とはいかないのであろうが、32歳で初招集の水沼や怪我を乗り越えた宮市など、彼らのような存在を抜擢できるという意味でも、意義のある大会だと感じた。

 当時はこのようなチャンスはなかなかなかったが、今は未来の発掘に繋がる良いマッチングである。

 見ている人からすると、果たしてブラジル戦を戦った選手との力はどのくらいあるのであろう?

 果たして彼らがブラジル代表と試合をやったら通用するのであろうか?

 西村、町野、相馬は2点取ったが、Aチームでも得点を取れるのであろうか?

 そこへの興味・関心は大きいのではないだろうか?

 そしてディフェンダーやボランチ、水を運ぶ、得点を取られない、またはボールのないところでの動きを求められる選手の評価は、どう見るのであろか?

 アピール、アピールと言うが、チームスポーツでもあり、個人の活躍だけではなく、遠藤や吉田、冨安などとコンビネーションや価値観が合いそうな選手はいたのであろうか?
 

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