【三浦泰年の情熱地泰】57歳の誕生日も一瞬の出来事。新たな年にしっかり「愉しんで」前進していきたい!

2022年07月19日 三浦泰年

試合前日のトレーニング後に誕生日のお祝い

トレーニング後に全員での記念撮影。三浦監督が57回目の誕生日を迎えた。

 2022年7月15日の金曜に、57歳の誕生日を迎えた。

 特別に切りの良い年齢ではないが、1年1年が早くなり、あっという間にこの年になった。

 この日を若い選手たちに祝ってもらい、それが8時30分からの試合前日トレーニング後(朝の9時30分)であり、選手たちがハッピーバースデーを歌い、若い選手がペットボトルに入った水を掛けに来てくれ(笑)、カズがケーキを運び、全員で写真を撮った。

 翌日は大事な後期に入る第1戦(第16節)。アウェーのラインメール青森戦のため18人のメンバーを発表した後の「感謝」のひとときであった。

 その日はたくさんの人たちからメッセージが入り、本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。

 子供の頃は1年が長く、特に夏休みは今で言う5年分くらいだったであろうか(笑)。身体も小さく、考えることも少なく、起きることも決まっていたからなのか?
 
 今の1年間と子供の頃の1年間は 全く違う。シーズンも始まればあっという間に過ぎ、開幕戦でホームと対戦した青森とのアウェーの試合も終わり、11月のシーズン終了まで一瞬に過ぎていくのであろう。

 試合を無事に終え、飛行機で羽田空港へ。久しぶりに家族が待つ自宅へ戻り、東京でささやかなお祝いディナーをして、試合前とは違う、ホッとした時間を過ごせた。

 そして次の日になれば、もう次節のことで頭はいっぱい。

 勝利して喜ぶのも負けて悔しいのも、1日経てば一瞬で次節(次の試合)の心配に変わってしまう。

 そんな毎日が監督の仕事であり、誕生日という大イベントも一瞬。もうなんのことであったんだろうと通常の日に戻るのである。

 ただ新たな年に自分自身がしっかり愉しめるように、しっかり考えて前進していきたい。

「楽しむ」ではなく、「愉しむ」。難しい漢字の方の「たのしむ」である。いったい何が違うのか?

「愉しむ」ことは、サッカーにとって本当に大事なことであり、どのチームにもメンタルの強い選手は必要だ。

 そして「メンタル」と言って胸を拳で叩くことが多いが、メンタルとは胸を叩く心、精神ではなく、頭なのであろう。

 だからと言って強いメンタルと頭を人差し指で指す動作はあまり見たことはないであろうし、似合わない。

 しかし、どんな状況も愉しむことができたら――。

 この「愉しむ」を自ら辛いことや難しいことを乗り越えた先にある「たのしみ」という意味で捉えれば、サッカーで言うところの辛い時間帯、難しい状況で、強いメンタルを発揮し、よく考えてプレー出来れば、そしてその状況を愉しめれば、試合に勝利する可能性も高まるのである。
 

次ページ気持ちの問題とは即ち、冷静かどうかの頭の問題なのである

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事