【西野朗の独占告白】消極的な賭けの話題になると、表情が一気に曇り…。「自分は許しがたいと思っている」

2022年07月14日 増島みどり(スポーツライター)

1戦目、3戦目より、2戦目での勝利を。コスタリカから勝点3を確実に奪う

ロシア・ワールドカップ、森保ジャパンについて語ってくれた西野氏。写真:サッカーダイジェストTV編集部

 史上初めて11月と秋開催となったカタール・ワールドカップでグループリーグを勝ち抜くために、西野朗・日本代表前監督(67歳)は、「1より3より2が大事」と試合順を示し、2試合目のコスタリカからの勝点3を、トーナメント進出への絶対条件にあげる。    

 西野監督は、ワールドカップがシーズン中の11月の開催となるため、これまでのように、合宿期間を使って短期集中型の準備ができない点を日本にとって不利ではないかと指摘した反面、森保一監督(53歳)が、西野自身も、またW杯で2度指揮を執った(98年フランス、10年南アフリカ)岡田武史・元監督(65歳)も経験していない4年もの長期にわたる準備期間で得た、選手たちとのコミュニケーションの蓄積を「計り知れない財産」と、プラス面にあげた。  

 Eグループは、過去W杯優勝を果たした8カ国のうち、ドイツ(4回)、スペイン(1回)と2つの優勝国が入った激戦組に。初戦のドイツ(11月23日)、3試合目のスペイン(12月1日=日本時間2日)と、強豪国との戦い方に目が向くが、勝負師でもある代表監督をW杯で経験した西野は、6月のプレーオフでニュージーランドを破ってグループに食い込んだコスタリカ戦(11月27日)にあえて焦点を強く当てる。7大会連続出場の日本代表が、初戦で欧州勢と対戦するのは、2002年の日韓大会ベルギー戦以来わずかに2度。それが優勝経験国となればウエイトが大きいのは間違いない。同時に、過去の第2戦で南米勢と当たるのは今回が初めてで、さまざまな想定が必要となってくるはずだ。

「日本の過去のW杯でも、初戦にヨーロッパの国が入ったのはあまりないでしょう。強いスプリット(精神力)を持ってチームを統一して来るドイツだけに、これまでの南米やアフリカとの初戦とはちょっと違う。準備も、戦い方でも、別の要素がいるんだと思う。ただ今大会で大事なのは、2つ目(コスタリカ)を確実に取る点で、(強豪国の)名前だけで判断するからか、あまりコスタリカが出てこないけれど、それは危険だ。

初戦は、グループリーグを突破するのにもちろん重要だけれど(過去6大会で、初戦に勝点を獲れなかった大会ではトーナメント進出はしていない)、カタールではこれまでの流れとは少し違い、2試合目でいかに確実に、勝ち点3を取るかが大事になる。そうすると、次(スペイン)への可能性をつなげるから。スペインも強豪であるのは間違いないが、去年は東京五輪で対戦して最後まで粘った試合をしているし(延長後半のゴールで0-1の敗戦)、勝った経験もある(12年ロンドン五輪)。小国のように戦ってはこなかったし、森保監督も3戦の流れをどう組み立てるか、これまでとはまた違う難しさや想定が必要になるが、緻密に考えていると思う」  

【動画】元日本代表監督・西野朗氏が語る「森保ジャパン

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