「夢を生きてきた」アーセナルで一世を風靡した“ガラスの天才”が現役引退を表明

2022年07月09日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

最後はデンマークでプレー

アーセナル時代に特大の輝きを放ったウィルシェア。30歳の若さでユニホームを脱ぐことに。(C)Getty Images

 元イングランド代表MFのジャック・ウィルシェアが現地時間7月8日に、自身のインスタグラムで現役引退を表明した。

 現在30歳のウィルシェアは9歳からアーセナルの下部組織に所属。2008-09シーズンに16歳の若さでトップチームに昇格すると、08年9月にはクラブ史上最年少の16歳256日でプレミアリーグデビューを飾った。

 そして、ボルトンで武者修行を経験した後の10-11シーズンに一気に才能が開花。アーセナルの攻撃の中軸としてリーグ戦35試合に出場すると、同シーズンのPFA(プロ選手協会)年間最優秀若手選手賞に選出された。10年8月には18歳でイングランド代表にもデビュー。今後のイングランドを背負って立つ存在として、誰もがその後の華々しいキャリアを期待した。

 しかし、その矢先の11年夏のキャンプ中に足首を骨折。結局11-12シーズンを丸々棒に振り、期待された12年のロンドン五輪やEURO2012への出場も逃してしまった。その後も度重なる怪我に泣かされ、その輝きは散発的にしか見られなくなっていった。イングランド代表としては2014年のブラジルW杯、EURO2016に出場したものの、大きなインパクトは残せなかった。

 18年夏にアーセナルを退団して以降は、ウェストハム(18~20年)、ボーンマス(21年)と渡り歩き、22年2月からはデンマークのオーフスでプレー。6月いっぱいでチームを退団していた。

【関連動画】アーセナル時代のウィルシェアのプレー集をチェック!
 
 ウィルシェアは自身のインスタグラムで、サッカー人生を振り返り、次のように綴っている。

「僕のキャリアは、信じられないような瞬間に満ちた素晴らしい旅であり、それらを経験できたことを光栄に思っている。家の庭でボールを蹴っていた少年が、愛するアーセナルの主将になり、母国を代表してW杯でプレーをした。私は自分の夢を生きることができた」

 さらにアーセナルのサポーターと家族に対する熱いメッセージを贈っている。

「地球上で最高のサポーターであるアーセナル・ファンのみんなに心から感謝している。みんなのためにプレーできたことは本当に光栄なことだった。いつも僕を応援してくれたことは決して忘れないし、僕は永遠にグーナーであり続ける。最後に妻と子供たちへ。君たちの愛と無条件のサポートは、言葉では言い表わせないほど大きなものだった。君たちは僕がどん底の時期も、愛とサポートを惜しむことがなかった」

 稀代の天才フットボーラーは、アーセナルのアカデミーコーチ就任が取り沙汰されているが、果たしてどんなセカンドキャリアを築くのだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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