大迫勇也が劇的な決勝弾、なぜ神戸は拮抗した試合をものにできたのか。“運”をキーワードに勝因を紐解く

2022年07月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

シュート数は神戸10本、清水9本

神戸は清水に2-1の勝利。試合終了間際に大迫が劇的なゴールを挙げた。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部)

 J2降格圏内の最下位神戸と17位清水によるJ1第20節は、神戸が1-1で迎えた90+2分に大迫勇也の劇的ゴールで勝ち越し、2-1で勝利を収めた。

 シュート数は神戸10本、清水9本。前半は神戸が主導権を握り、後半は清水が反撃を見せた。どちらが勝点3を手にしてもおかしくなかった。そのなかで勝敗を分けたのは何だったのか。"運"という曖昧なキーワードを軸に振り返ってみたい。

 最初に運を引き寄せたのは神戸だった。序盤からボールを握って相手陣内に押し込み、武藤嘉紀や汰木康也、小田裕太郎ら機動力の高い選手たちが、アンドレス・イニエスタと絡みながらラインブレイクを試みる。
 
 そして8分、武藤が右サイドを崩してペナルティエリア右から折り返すと、ボールは清水のカルリーニョス・ジュニオに当たって中央の汰木のもとへ。リフレクションした難しいボールだったが、汰木がしっかりと右足でミートさせて先制点を挙げた。

 この場面、リプレー動画を見ると武藤は、イニエスタへ向かってマイナスパスを出していると思われる。それがカルリーニョスの足に当たったことで、コースが変わり、ひとつ飛ばしパスのような形で汰木へと渡った。清水の守備陣はこのイレギュラーなパスに対応しきれず、失点につながったようだ。

 66分、清水の同点ゴールにも運が見え隠れしている。カルリーニョスが上げたクロスをチアゴ・サンタナが決めたシーン。リプレーをスロー再生してみたところ、T・サンタナのトラップしたボールが、神戸の大﨑玲央のかかとに当たっているように見える。もし、当たっていなければ、もう少し外へとボールが流れていた可能性も考えられる。清水にとってはラッキー、神戸はアンラッキーな場面だった。

 84分には、右サイドからのアーリークロスにT・サンタナがヘディングで合わせてゴールネットを揺らした。しかし惜しくもオフサイドの判定でノーゴール。今度は神戸がラッキー、清水がアンラッキーだったと言えるかもしれない。
 

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