ジョーの長崎移籍は実現するのか。「裏切り者を救う」とブラジルでも話題の噂の“信憑性”と“障害”を現地記者が明かす

2022年06月27日 リカルド・セティオン

「これからは長崎以外のクラブと新たなコンタクトをとるな」

20年4月に名古屋を退団したジョーは、2か月後にコリンチャンスに入団した。(C)SOCCER DIGEST

 かつてコリンチャンスをブラジルチャンピオンに導き、アトレティコ・ミネイロではロナウジーニョとプレーし、マンチェスター・シティやエバートンにも在籍した元ブラジル代表FWジョーは、すっかり「裏切り者」のイメージが定着してしまった。

 彼は名古屋グランパス、コリンチャンスという2つのチームを裏切り、サポーターを裏切り、最近では愛人が妊娠し、妻も裏切っていたこともわかった。

 その得点力は35歳となった今も衰えていないし、彼は今季のカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)で4試合しかプレーしていないため、国内の他のチームでリーグを戦うことも可能だ(6試合以上出場するとそのシーズンは他チームでのプレーは認められない)。それでもブラジルでは、もうどこのチームも彼を欲しいとは思わないだろう。
 
 ジョーの選手生命はもう終わったと多くの人が思っている。ただ、本人はサッカーを続けたい気持ちが大きいようだ。ブラジルの『Radio 365』でも、「俺はなにも人を殺したわけじゃない。こんなに責められるのはおかしい」と主張している。

 そんなジョーの唯一の希望と噂されているのが日本の2部リーグに属するV・ファーレン長崎だ。ブラジルでは「悪名高きジョーを長崎が救う」と話題になっている。私が取材した中でも、彼の長崎入りの可能性を示唆する証言がいくつかあがってきている。

 コリンチャンスの幹部は、ジョーは現役を続けるために問題解決に向けて前向きだと明かした。

 ジョーの代理人ブレーノ・タンムーリは、ジョーから「これからは長崎以外のクラブと新たなコンタクトをとるな」と言われたという。

 そして何より一番大きいのは長崎の新監督、ファビオ・カリーレの存在だ。彼は2017年にコリンチャンスを率い、カンピオナート・ブラジレイロで優勝を果たしているが、その時の得点王がジョーだった。彼がクラブにジョーのことを勧めたとも言われている。

 カリーレは数日前、前出の『Radio 365』でもはっきりこう語っている。

「私は本気だ。もちろんまだクラブと話を始めたばかりだが、今朝もジョーの話をした。移籍市場は7月15日に始まるが可能性はある」
  

次ページ期日内に名古屋に賠償金を支払わなければ即出場停止

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