ガーナ戦は課題解決の布石を打つチャンス。新たな“得点の形”を見出せるか。守備では行く時と引く時のメリハリを

2022年06月10日 元川悦子

テスト的要素の濃い陣容がピッチに立つことに

ガーナ戦のメンバーは「ブラジル戦からは変えていきたい」と森保監督。6月シリーズはまだ出番のない上田(写真)にチャンスは巡ってくるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 カタール・ワールドカップ(W杯)まで、あと約5か月。日本代表にとって、4試合が組まれた6月シリーズの後半戦2試合と、9月のインターナショナルマッチデー(IMD)の2試合しか、残された強化の場がない状況だ。

 11月の本番前にテストマッチが組まれる可能性もあるが、選手を試せるのは10日のガーナ戦と14日のチュニジアかチリの勝者との一戦だけと言っても過言ではない。だからこそ、当落選上のメンバーは持てる力を最大限発揮して、全力で生き残りをアピールすることが肝要だ。

 その意味で、W杯出場国ガーナとの一戦は重要になる。8日のトレーニングを見る限りだと、4バックは山根視来、谷口彰悟(ともに川崎)、伊藤洋輝(シュツットガルト)または板倉滉(シャルケ)、中山雄太(ズウォーレ)という顔ぶれが有力視される。

 中盤は原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)、鎌田大地(フランクフルト)の3ボランチが濃厚。そして、前線は久保建英(マジョルカ)、浅野拓磨(ボーフム)、前田大然(セルティック)の可能性が高そうだ。

 だが、森保一監督が「(8日の練習のメンバーは)明日の試合を想定していたわけではない」と話しており、必ずしもこの通りの先発になるとは限らない。堂安律(PSV)、上田綺世(鹿島)、三笘薫(ユニオンSG)という組み合わせもテストされていたため、この3トップが頭から出ることも考えられる。

「ブラジル戦からは変えていきたいと思っていますし、スタートで出場機会を得ていない選手にスタートからプレーしてもらえるようにと思っています」とも指揮官はコメントしており、堂安や上田らにもチャンスはある。いずれにしても、テスト的要素の濃い陣容がピッチに立つことになる模様だ。
 
 ガーナはご存じの通り、爆発的な身体能力を武器にするチーム。今回は来日メンバーを18人に限定しているが、5日の2023年アフリカ・ネーションズカップ予選の中央アフリカ戦でゴールしたクドゥス・モハンメド(アヤックス)も来日。本気度が高いメンバー構成と言っていいだろう。

「個々の技術が高く、攻撃の部分でゴールに向かう非常にパワフルなプレーができるチーム」と森保監督も警戒心を募らせた。ブラジルとは全くタイプが異なるものの、強敵なのは間違いない。

 三笘も「ブラジルの選手よりもスピードの速い選手が多くいると思いますし、そういう相手とやるのは良い機会。自分がスピードで勝てない相手に対してどう打開していくかはカギになる」と目をギラつかせていた。
 

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