【広島】金字塔へカウントダウン再び。エース佐藤を突き動かすエネルギーの“源”とは?

2015年08月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

中山氏の大記録に迫る156点目。「自分が決める、と思ってガクに『OK』と言った」

16分、中山氏の持つJ1最多得点に並ぶ157ゴール目を狙ったシュートは惜しくも相手GKに阻まれる。記録は次戦以降に持ち越しとなったが、佐藤は5得点を挙げたチームへの手応えを語った。 写真:徳原隆元

 第2ステージ5節の神戸戦以来、止まっていた"カウントダウン"の針が1か月ぶりに動き出した。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・9節
 
 名古屋戦の9分、ドウグラスのスルーパスに抜け出した右WBのミキッチが小川佳純と球際で"デュエル"。小川が倒れた瞬間、名古屋の最終ラインがオフサイドとファウルをアピールして足が止まった隙を見逃さず、こぼれ球を拾ったミキッチのクロスを丁寧に左足でゴールに流し込む。J1通算156ゴール目は、大粒の雨が降り注ぐエディオンスタジアム広島に歓喜をもたらした。
 
「ミカ(ミキッチ)は『決めてください』というところにパスを出してくれたので、押し込むだけのゴールだった。でも、名古屋の最終ラインも反応できていなかったし、(自分が)先にスプリントのスタートを切った時点で勝負があったと思う」
 
 ミキッチのクロスには野津田岳人が待ち構えていたが、エースに譲るようにスルーしている。佐藤は野津田に対し、「自分が決める」との想いで後方から『OK!!』と大声をあげたという。「スペースに抜けた時には前にガク(野津田)がいたし、ガクも行けたと思うけど、自分が打つ気持ちだった。アイツは『決めたかったけど我慢しました』って言っていた(笑)」と得点シーンの舞台裏を明かした。
 
 開始9分での得点に、中山雅史氏の持つJ1通算最多得点(157)タイ、そして記録更新への期待は一気にヒートアップする。16分、柏好文からのパスにペナルティアーク付近からコントロールショットでゴールを狙うが、相手GKのセーブに遭い惜しくも得点はならず。その後もしたたかにチャンスを狙ったが、63分にピッチを去るまでシュート機会は訪れなかった。
 
「(ミドルシュートは)自分が打ちたいタイミングとパスのタイミングが少しズレていた。結果的にファーを狙ったけど、ニアを狙っても良かったかな、と。それ以外にも惜しい場面はあったと思う。上手く(相手の最終ラインと)駆け引きはできていたけど、クロスにもう少しタイミング良くマークを外せていれば、もう1点取れていた」(佐藤)

次ページ「チームが勝つためになにができるか。そのなかでゴールも伸ばせていければいい」(佐藤)

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