“モンスター化”したネイマールはパリSGで嫌われ者に。安住の地だったセレソンでも安泰では…【ブラジル発】

2022年06月06日 リカルド・セティオン

「PSGの幹部は小切手を切るのをやめ、彼を追い出すべきだ」

30歳となったネイマールだが、相変わらずピッチ外での問題が後を絶たない。(C)Getty Images

 ネイマールは今年の2月に30歳になった。今の彼は、かつてサントスやバルセロナにいた大胆で陽気な少年とは、まるで別人のようだ。

 終了したばかりのシーズンは、彼がヨーロッパに来てから最低の出来だった。彼がゴールに絡んだのは21回(13ゴール・8アシスト)。他のシーズンに比べると物足りない数字だ。例えば、バルセロナでの2015-16シーズンは、31ゴール・22アシストという成績だった。もちろん不調は怪我のせいもある。
 
 パリSGに来てからの5シーズンで、ネイマールは全く怪我をしなかったシーズンは一度もない。2021-22シーズンは、11月から2月の半ばまで負傷欠場していた。出場したのは28試合(うち先発は27)のみ。1試合当たりの平均ゴール数は0.46に留まる。

 2017年夏、ネイマールは2億2200万ユーロ(約288億円)という史上最高額でパリSGに移籍した。彼がチームをヨーロッパの頂点へ導くことを期待してのことだ。それから5年、その目標を達成できないばかりか、キリアン・エムバペの陰に隠れる選手になってしまった。
 
 一方で、問題を起こすことにかけては一級だった。エディソン・カバーニとの諍い、レオナルドSDとの不和、チームを出ていくと騒ぎ、女性問題、スポンサー、ナイキとの決裂……。

 地元パリのラジオ・モンテカルロの記者たちによると、ネイマールは毎回練習に遅れてやってくるという。解説者のダニエル・リオロに至っては、ネイマールは何度もアルコールが入った状態で、グラウンドにやって来ると告発する。もちろんネイマールはそれを全否定しており、どちらの主張が正しいかはわからない。しかし、これがフランス流の非難のやり方なのだ。とにかくパリはもうネイマールが我慢できなくなっている。

「パリ・サンジェルマンのサポーターはネイマールの馬鹿げた行為も、ネットフリックスのドキュメンタリーにも我慢できない。チーム幹部は彼に小切手を切るのをやめ、追い出すべきだ」

 そう前出のリオロは言う。

 その非難の声がより大きくなったのはチャンピオンズ・リーグ(CL)でレアル・マドリーに敗れた試合だ。怪我から復帰したばかりということもあるが、ネイマールの動きはテンポが合っておらず、チームを助けるどころか足を引っ張った。

 ネイマールはその後の5試合でサポーターにブーイング浴びせられることになる。特に直後のボルドー戦では、3-0で勝利し、優勝に一歩近づいたにもかかわらず、パルク・デ・プランスはネイマールへの怒りを爆発させた。ブーイングに怒声、罵りの言葉が雨あられと降ってきた。

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