過去10年間、4度の対戦で14失点。ブラジル戦に挑む森保ジャパン、最終ラインの懸念点は?

2022年06月05日 元川悦子

「まずは失点しないこと。それが大前提」

日本代表は6月の4連戦で、初戦のパラグアイ戦は4-1の快勝。幸先の良いスタートを切った。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 2022年カタール・ワールドカップ(W杯)本大会に向け、貴重な強化の場となっている6月の4連戦。その一発目となった2日のパラグアイ戦を4-1で勝利し、日本代表は幸先の良いスタートを切った。

 だが、2アシストした原口元気(ウニオン・ベルリン)が「パラグアイ戦はスペースがあってやりやすかった」と語ったように、相手のモチベーションやコンディションに難があったのも事実。この相手に圧勝していても、ドイツ、スペインと同組のW杯本番でグループステージを突破し、ベスト8という悲願を達成できる保証はない。

 そういう意味でも、6日に対戦する王国ブラジルとの一戦は、森保ジャパンの現在地を測るうえで非常に重要。「彼らを倒していかないと目標は達成できない」と原口も強調したように、最強軍団と真っ向勝負を演じなければ、日本の未来が開けてこないのは確かだ。

 そこで第一に考えるべきなのが、失点をいかに防ぐか。「まずは失点しないこと。それが大前提」と2017年11月に行なわれた直近のブラジルとの親善試合(1-3)に出ていた原口が言うように、簡単にゴールを許していたら、白星への道は見えてこない。
 
 日本は2012年からの10年間でセレソンと4回対峙しているが、2012年10月の親善試合で0-4、2013年6月のコンフェデレーションズカップで0-3、2014年10月の親善試合で0-4、2017年11月の親善試合で1-3と合計14失点。全て開始20分以内に先制点を奪われているという見逃せないデータもある。

 得点者では計8ゴールのネイマール(パリSG)が傑出している。2日の韓国戦でネイマールが78分間出場したため、今回の日本戦はスタートから出てくる可能性が低いものの、彼以外にもヴィニシウス・ジュニオール(R・マドリー)やガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・C)らそうそうたる面々がいる。

「あのクラスの選手は実際に対峙してみないと分からない部分がある。やっぱり常に先手を取ることを意識しないと止められない」とCBでの先発が有力視される板倉滉(シャルケ)も警戒心を募らせていた。最終予選10戦で4失点という堅守を誇った日本守備陣の真価が今、改めて問われることになる。
 

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