【U-22日本代表】非凡すぎる19歳の鎌田が“デビュー戦”で1アシスト。A代表初招集もあるか!?

2015年08月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

動きは一見スローだが、その振る舞いには独特のリズムがある。

手倉森ジャパンの“デビュー戦”でさっそく1アシストと結果を出した19歳の鎌田。評判どおりの卓越したボールスキルと攻撃センスでチャンスを演出してみせた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 期待を、裏切らなかった。
 
 U-22代表の京都でのミニキャンプ最終日、45分×2本で実施されたJ2京都とのトレーニングマッチで、2本目の15分から途中出場。公式戦ではなかったし、大幅にメンバーを落とした京都が相手だったことを差し引いて考えるべきだが(それでもチームは試合に負けているが……)、来年のリオ五輪を目指す手倉森ジャパンで"デビュー"を飾った鎌田大地のパフォーマンスは、周囲を納得させるには十分だった。

【U-22日本代表PHOTO】練習試合 対 京都サンガF.C.
 
 与えられたポジションは4-2-3-1のトップ下。プレー自体はどこか淡々としていて、動きは一見スローだが、その振る舞いには独特のリズムがある。だからこそ、相手のマークを剥がす急激なテンポアップは効果的だ。ピッチに立って5分後、前田直輝からパスを引き出した一瞬の動き出しに、相手DFはまるでついていけていなかった。
 
 下がってもらいに行くより、前向きで受けられるようなポジショニングを見せていた鎌田に、最初のほうは頻繁にボールが集まった。しかしながら、時間の経過とともに「ここに」と手で指し示しながら半身になってスタンバイしても、それが空振りに終わることが多くなっていった。
 
「僕から見たら出せるんじゃないかなというシーンがけっこう多かったんですけど、それは出し手によって見え方も変わると思うし、要求をしていきながら、向こうの意見をしっかり聞いていきたい。(手倉森ジャパンでのプレーは)初めてだったのである程度仕方のない部分もありますが、もっとボールに触れたら良かったんじゃないかなと思う」
 
 もっとも、パスが出てこないからといって、やることに変わりはない。根気強く細目にポジショニングを修正しながら、プレーに絡もうとする。
 
 その努力が結実したのが、0-2で迎えた終了間際のワンプレーだ。ボールを要求する鎌田に、後方から正確なフィードが届く。何度目かのチャレンジでラインブレイクに成功すると、「もらって中を見たら、味方(前田)がファーに走っていたので、GKを越えたら入るかなと思いました」とクロスを供給。これを「大地がああやって良い形で裏へ抜けたので、来るだろうなと思って信じて走りました」という前田が確実に押し込み、U-22代表がようやく1点を返した。
 
 わずか30分のプレータイムのなかで目に見える結果を出したが、「平行パスをGKに取られたり、シュートも決められる場面があった。あの内容で1アシストでは少ないかな」と、弱冠19歳の大物ルーキーは満足する素振りを見せず、反省点を挙げる。「まだまだ上手くボールに触れると思う」とその向上心は尽きることがない。
 
「前向きでボールをもらえたら、自分の持ち味はある程度通用するのかなというのがあった。その回数を増やしていけたらいい」
 
 その言葉を裏付けるプレーは、アシストしたすぐ後に披露される。バイタルエリア付近でキープすると、出しどころを探しながらゆっくりとボールを運び、抜群のタイミングで抜け出した金森健志へスルーパスを通し、相手の守備陣形を簡単に切り崩してみせた。

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