U-21代表の前に立ちはだかった東京国際大MF落合陸。「プロを経験しながら大学で戦う」なかで抱いた新たな野望

2022年05月15日 安藤隆人

「リズムを作れる存在にはなれると思う」

全日本大学選抜の一員としてU-21代表とのトレーニングマッチに出場した落合。2得点に絡む活躍を披露した。写真:安藤隆人

 2024年のパリ五輪をターゲットに立ち上がったU-21日本代表。来月からウズベキスタンで開催されるU-23アジアカップを控え、5月9日から11日にかけて候補合宿を行なった。

 このキャンプの最終日に組み込まれたトレーニングマッチの相手は全日本大学選抜。試合は35分×2本で行なわれ、1本目は0-0で折り返し、お互いにメンバー総入れ替えで臨んだ2本目は、2-0で全日本大学選抜が勝利を収めた。
【動画】U-21日本代表が全日本大学選抜に敗戦…松木玖生や中島大嘉の出来は?

 この試合でU-21代表の前に立ちはだかったのが、2本目に出場し、2得点に絡んだ全日本大学選抜の10番MF落合陸だ。

 15分、オーバーラップを仕掛けたDF奥田勇斗に絶妙なスルーパスを通す。奥田のシュートは左ポストに当たり、そのこぼれをMF倍井謙が押し込んだ。23分には相手GKのパスミスをMF齊藤聖七が拾うと、落合はすかさず齊藤に近づいてパスを受ける。

「GKが前に出たままだったので冷静に狙った」

 力の抜けたフォームでGKの頭上を破るループシュートを、ゴール左隅に流し込んで追加点を奪ってみせた。

 その後も前線からの激しいプレスでU-21代表のポゼッションを断ち切るなか、落合はトップ下でセカンドボールの回収とインターセプトを狙い、マイボールにすればチャンスを生み出すパスを供給。終始相手の脅威となるプレーをやり続けた。

「大学ではボランチでプレーしていますが、久しぶりのトップ下で自分の良さを出せて、本来やりたいプレーができたと思います。でも、大学に入ってから守備を意識的に取り組むようになったことで、より自分がボールに触れる機会は増えましたし、そうすることでチームの中心というか、リズムを作れる存在にはなれると思いました」
 
 確かな手応えを掴んでいる落合は、1999年5月23日生まれの22歳。大学選抜の中でも最年長で、世代的には大卒1年目の世代に当たる。

 小学校の時から柏レイソルの下部組織一筋でプレーした落合だったが、夢だったトップ昇格は叶わず。高校卒業後に関東リーグのVONDS市原で1年間プレーし、その後、東京国際大学に進学するという異色の経歴の持ち主だ。

 その中で落合はずっと抱いていた夢を決して諦めなかった。昨年、3年生だった落合は東京国際大の悲願だった1部リーグ昇格を優勝と共に4年ぶりに達成。リーグ戦全試合出場に加え、7得点・2アシストと攻撃の中枢を担っていた落合は、この年の10月27日に2023年シーズンからの柏内定を発表。4年越しの夢を叶えた。
 

次ページ目標を明確に持ち続け、達成し続けてきた

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事