「感動さえ覚えた」なぜ冨安健洋の“激昂”を英国人記者は称賛したのか。「日本人は大人しいイメージがあるが…」【現地発】   

2022年05月11日 スティーブ・マッケンジー

「どれだけ多才な選手であるかを示した」と左SBのプレーにも賛辞

リーズ戦では本職ではない左SBでプレーした冨安。(C)Getty Images

 アーセナルがリーズを下してトップ4確保に前進した試合を取材した。

 スタメン発表の際、怪我の懸念もあった冨安健洋の名前が呼ばれると、本拠地エミレーツスタジアムの観衆は大声援を送った。その大きさは、アーセナルファンのお気に入りであるブカヨ・サカにも負けていなかった。この日本人DFがプレーすれば、最終ラインの安定感がぐっと増すことを知っているからだろう。

 ただ、このリーズ戦では、いつもと勝手が違っていた。主戦場の右SBにセドリク・ソアレスが起用され、左SBに回ったからだ。

 それでも、守備では全く綻びを見せなかった。リーズ側が、"慣れない"ポジションの冨安のサイドをもっと突いてくるかと思ったが、そうはならなかった。日本代表DFが、予想以上にこのポジションに"慣れていた"からだ。

 攻撃時は、ボールを受けると、まず左ウイングを見るのではなく、視線をピッチの中央に向けて、頻繁に中に入って行った。右利きであるから、左利きの左SBと動きが違うのは当然だ。

 驚いたのは、リーズのDFルーク・エイリングがガブリエウ・マルチネッリに衝撃的なタックルを仕掛けた時、冨安がリーズの選手たちと激しくやり合ったことだ。チームメイトのタックルについて不満を言っている姿を見て、感動さえ覚えた。いつもは黙々とプレーする彼が、チームメイトを守る姿勢を誰よりも早く示したからだ。

 日本人選手は総じて真面目で大人しいイメージがあるが、率先してチームの一員であることを示したこの行為に、感銘を受けた英国人は私だけではないだろう。

【動画】英国人記者が称賛!リーズDFの危険な両足タックルに冷静な冨安が激昂したシーン
 結局、エイリングは退場となった。そのプレーで得られたCKから、冨安は惜しくも得点を逃した。こうしたシーンは良く見かけるのだが、まだプレミアリーグでゴールはない。カタール・ワールドカップで日本のためにネットを揺らすまで取っておくつもりなのかもしれない。

 冗談はておき、冨安は左SBもこなせることを十分に示した。本人も毎週プレーしたいとは思わないだろうし、トップレベルの相手であれば、ミケル・アルテタ監督も右で使うだろう。それでも、リーズ相手には全く問題はなかった。彼がどれだけ多才な選手であるかを示し、貴重な2-1の勝利に貢献したのだ。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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